JAXA小惑星探査機「はやぶさ」物語

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原理

「イオンエンジン」と「運動量保存の法則」

「はやぶさ」は、宇宙を航行するのに「イオンエンジン」を使っています。その根本的な原理は、「運動量保存の法則」なのです。

ロケットの発射を見たことがありますか?ロケットの下側からもの凄い火柱が見えましたね。あれは、推進剤と呼ばれる化学物質が燃焼して、高温のガスを噴射している様子が、まるで燃えているように見えるからだったのです。ロケットの場合はガスを後ろ側(下側)に射出することで推進力を得ているわけですが、飛行機のエンジンでは、タービンと呼ばれるプロペラを高速で回転させ、前方の空気を後方へ押しやったり、前方から吸い込んだ空気を圧縮して、その圧縮された空気を燃焼させ、膨張した空気を後方に噴出させて推進力を得ています。どちらのエンジンも、後方へ何かを押し出すことで前に進む力を得ているわけです。


空気から酸素をとり入れるのがジェット機、酸素をあらかじめ持っていくのがロケット。いずれも、燃料を燃やしてできたガスを、後方に噴き出して前向きの推力を得る推進原理は同じ。


ルネ・デカルト(Rene Descartes)1596年〜1650年 これは、運動量保存の法則という、外部から力が加わらない限り、その運動量の総和は不変であるという、デカルトによって発見された物理法則に基づいています。ある質量を持った物体を、ある速度で後ろに押し出すと、その質量と速度に応じて、前向きの推進力を得られるという原理を応用して、空を飛ぶことができるのです。


運動量保存の法則



ビリヤードの球は、外部から力を加えない限り動かない
ビリヤードの球を動かすには

運動量保存の法則+エネルギー保存の法則



1.静止している的球を動かすために
  手球をキューで突いて外部からの力を与えるとき、
  


2.ドローショットの場合
  手球の運動量は両方の球に同じだけ保存され、ぶつかった後に、
  2つの球が同じ速度でそれぞれ逆方向に動く


3.ストップショットの場合
  ぶつかったことによって手球の運動量の全てが的球に
  保存され、手球は止まり、的球はぶつかる前の手球の速度で動く


ところが、宇宙空間を飛行する宇宙船に、このジェットエンジンは使えません。燃料を燃焼させる酸素が宇宙区間にはないからです。そこで考案されたのが、アルゴンやキセノンといったガスをイオン化させ、電気の力でそのイオンを加速して後方に押し出すことで推進力を得るという、イオンエンジンです。このイオンエンジンであれば、燃焼という過程は必要がないので、宇宙空間でも航行が可能になるのです。


■ イオンエンジン
イオンエンジンは、磁石でプラスとプラスだと離れるのと同じく、常に反発させて進んでいく。

ジェットエンジンやロケットエンジン、このイオンエンジンでも、基本は運動量保存の法則の応用だったのです。

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