JAXA | 宇宙情報センター SPACE INFORMATION CENTER

メニュー

メニュー

こども宇宙ニュース (2006-12-15) テニスコート2面分のアンテナを開く!「きく8号」

シェア

関連情報

今や、私たちの生活に欠かせなくなった携帯電話。いつでも、どこでも便利に電話ができるけれど、利用できるのは地上局のある都市部が中心。山の中や海上など都市部以外や、地震などの災害時に地上局が壊れたりすると使えなくなり、困りますよね。JAXAが打ち上げの準備を進めている技術試験衛星VIII(ぎじゅつしけんえいせい8)型「きく8号」は、宇宙から電波をやりとりするので山や海でも災害時にも通信をすることができる、人工衛星です。

宇宙で大きなアンテナを広げる「きく8号」(想像図)。日本の上空約3万6千kmの静止軌道を飛行します。アンテナはテニスコートぐらいの大きさが2枚。衛星の重さは約3トンで世界最大級です。
宇宙で大きなアンテナを広げる「きく8号」(想像図)。日本の上空約3万6千kmの静止軌道を飛行します。アンテナはテニスコートぐらいの大きさが2枚。衛星の重さは約3トンで世界最大級です。
シンボルキャラクターの「きくはちぞう」。アンテナのような大きな耳が特徴です。
シンボルキャラクターの「きくはちぞう」。アンテナのような大きな耳が特徴です。

きく8号」はなぜこんなに大きなアンテナを広げているのでしょうか?それは、地上で私たちが通信に使う端末(たんまつ)をなるべく小さくしたいからです。「きく8号」のアンテナは片面19m×17mが2面。世界最大級で感度がよく、約3万6km離れた地上の携帯電話サイズの端末と通信ができます。
大きくて軽いアンテナの開発には、日本の伝統的な職人芸が活かされています。

「きく8号」のアンテナの展開試験。左が展開前で右が宇宙で展開した状態。アンテナは金属性の糸を使用。宇宙のゴミがぶつかって穴があいても広がらないように「トリコット編み」という特殊な編み方をしています。金属の糸が切れないように北陸地方に古来から伝わる技術が使われています。
「きく8号」のアンテナの展開試験。左が展開前で右が宇宙で展開した状態。アンテナは金属性の糸を使用。宇宙のゴミがぶつかって穴があいても広がらないように「トリコット編み」という特殊な編み方をしています。金属の糸が切れないように北陸地方に古来から伝わる技術が使われています。

最近はよく地震などの災害が起こりますね。「きく8号」は災害時に大きな威力を発揮します。地震や台風などで、地上の中継局や電話局が壊れると、現場の被害の様子がわからなくなってしまいます。そんな時でも、宇宙を飛行する「きく8号」は被害を受けません。携帯電話ほどの大きさの端末を持って現場に入り、現地の情報を「きく8号」を介して各地に送れば被災者(ひさいしゃ)のすばやい救援や安否の確認にも役立ちます。
2006年9月3日、JAXAは高知県高知市と三重県尾鷲(おわせ)市で、地震や津波が起こった場合に備えて、人工衛星通信システムを使って災害の映像や文字を送るなど、市民の方たちと一緒に情報収集のデモンストレーションも行っています。

手のひらサイズの小型携帯端末(右)は、簡単な情報を送り、B4サイズのポータブル端末(左)は画像を送ることができます。たとえばけが人の画像を遠隔地の病院に送れば、医師の指示を受けることができるのです。
手のひらサイズの小型携帯端末(右)は、簡単な情報を送り、B4サイズのポータブル端末(左)は画像を送ることができます。たとえばけが人の画像を遠隔地の病院に送れば、医師の指示を受けることができるのです。

きく8号」は12月16日、種子島宇宙センターからH-IIAロケットで打ち上げられます。世界最大級の衛星を打ち上げるため、H-IIAロケットの4種類の中で一番パワーのあるタイプを、初めて使って打ち上げます。迫力ある打ち上げにも注目しましょう。