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小惑星

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惑星になりきれなかった天体たち

小惑星は主に火星木星のあいだの軌道を公転する無数の小天体です。その数は2009年1月現在、軌道の分かっているものだけでも40万個を超え、現在も次々と発見が続いています。小惑星は、太陽系が誕生した頃、原始惑星にまで成長できなかった微惑星や、いったん原始惑星にまで成長したものの、その後の衝突で砕けたかけらであると考えられてます。中には、そのかけらが再び集まって形成された小惑星もあるようです。とくに大きなものを除いてほとんどがいびつな形をしています。

太陽系の化石

小惑星には、そのほとんどが金属でできているもの、金属と岩石が混ざり合ったもの、炭素質が多いものなど、さまざまな種類があります。いずれも太陽系が誕生した頃の残骸で、初期の太陽系の様子をとどめていると考えられています。また、小惑星の中には同じような軌道を回る一群があり「族(ファミリー)」に分類されています。これらは、昔は1つの原始惑星だったものが、何らかの原因で砕けてしまったものだと考えられています。大きく成長した原始惑星の場合、原始惑星全体が溶け、内部で重たい物質と軽い物質が分離する「分化」が起きたとみられ、同じ族に属する小惑星でも、その成分がまったく異なる場合があります。このように、小惑星を詳しく観測することによって、太陽系が誕生するときの「歴史」を明らかにすることができるのです。

四大小惑星

これまでに発見されている小惑星の中でも、特に大きなケレス、パラス、ジュノー、ベスタの4つを四大小惑星と呼んでいます。ケレスは今では準惑星にも分類されている最大の小惑星で、直径が約952kmあります。1801年にジュゼッペ・ピアッツィによって発見されました。2番目に発見されたパラスは約570km×525km×482kmの不規則な形をしています。1802年にハインリヒ・オルバースによって発見されました。3番目に発見されたのはジュノーで、1804年にカール・ハーディングによって発見されました。直径は約230kmで球形をしていると考えられています。4番目に発見されたベスタは直径が500km前後で、大きさのわりに明るく、唯一肉眼で見ることのできる小惑星です。1807年、オルバースによって発見されました。

ハッブル宇宙望遠鏡が撮影したケレス(左)とベスタ (Vesta)(c)NASA; ESA; L. McFadden and J.Y. Li (University of Maryland, College Park); M. Mutchler and Z. Levay (Space Telescope Science Institute, Baltimore); P. Thomas (Cornell University); J. Parker and E.F. Young (Southwest Research Institute); and C.T. Russell and B. Schmidt (University of California, Los Angeles) / (Ceres) (c)NASA; ESA; J. Parker (Southwest Research Institute); P. Thomas (Cornell University); L. McFadden (University of Maryland, College Park); and M. Mutchler and Z. Levay (Space Telescope Science Institute)
ハッブル宇宙望遠鏡が撮影したケレス(左)とベスタ (Vesta)(c)NASA; ESA; L. McFadden and J.Y. Li (University of Maryland, College Park); M. Mutchler and Z. Levay (Space Telescope Science Institute, Baltimore); P. Thomas (Cornell University); J. Parker and E.F. Young (Southwest Research Institute); and C.T. Russell and B. Schmidt (University of California, Los Angeles) / (Ceres) (c)NASA; ESA; J. Parker (Southwest Research Institute); P. Thomas (Cornell University); L. McFadden (University of Maryland, College Park); and M. Mutchler and Z. Levay (Space Telescope Science Institute)

衛星をもつ小惑星

小惑星の中にも衛星をもつものが数多く発見されています。初めて衛星が発見された小惑星はイダで、木星へ向かう途中の木星探査機「ガリレオ」によってダクティルという衛星が発見されました。小惑星シルヴィアにはケック望遠鏡によってロムルスとレムスという2つの衛星が発見されるなど、複数の衛星をもつ小惑星もいくつか見つかっています。

小惑星「イダ」とその衛星「ダクティル」
小惑星「イダ」とその衛星「ダクティル」

小惑星の反射スペクトル型

小惑星は地球に降ってくる宇宙物質である隕石の故郷と考えられますが、隕石は石質のものや隕鉄、それらの混合、あるいは水や有機物質を多く含むものなど、岩石学的に様々なものがあります。同様に小惑星も多様な岩石タイプのものがあると考えられています。地上から小惑星の物質の違いを調べるには、太陽光の反射率や分光特性(波長ごとの反射率の違い)から推測する方法が一般的です。スペクトル型には一般的に石質のもの(S型、V型など)、揮発性物質を含むもの(C型、D型など)、および金属質の多いもの(M型など)など主要な10数種類の型に分類されます。太陽に近い場所は石質のものが多く、遠いほど揮発性成分を多く含むものが多くなる傾向がみられます。

はやぶさ」が着陸した非常に小さい小惑星イトカワ

小惑星のサンプルを採って地球に帰還するという、世界で最初のサンプルリターン計画である、日本の小惑星探査機「はやぶさ」が向かった小惑星イトカワは、その大きさが535m×294m×209mという非常に小さなものです。これまで一般的に考えられていた小惑星の姿とは大きく異なり、クレーターは少なく、レゴリス(砂や砂利)に覆われた部分と岩石が露出した部分に分かれています。密度も一般の岩石にくらべると小さく、そこからイトカワは、より大きな天体が砕かれた破片が、ゆるやかに集まったものではないかと考えられています。「はやぶさ」はさまざまなトラブルに見舞われながらも、2009年2月地球に帰還するためにエンジンに再点火、2010年6月イトカワのサンプルを地球へ持ち帰ることに成功しました。
イトカワの反射スペクトル型は、数が多いS型に分類されています。研究者たちは、もう一つの小惑星の代表的なグループであるC型の小惑星についても、「はやぶさ」と同様のサンプルリターン計画を目指しています。

小惑星「イトカワ」
小惑星「イトカワ」