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ビッグバン

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急速に膨張している私たちの宇宙

1929年、天文学史上に残る1編の重要な論文が発表されます。エドウィン・ハッブルによって発表されたその論文の内容は、遠い銀河ほど私たちから速く遠ざかっているというものでした。現在では、宇宙が膨張しているために遠い銀河ほど速く遠ざかっていると解釈されていますが、このことが初めて観測的に示されたのです。

宇宙が膨張しつつあるという事実は、過去にさかのぼれば宇宙が小さかったことを意味します。宇宙がこのように始まったとするアイディアは、既にジョルジュ・ルメートルによって指摘されていましたが、ハッブルの発見はそれを裏付ける観測的な証拠を提示したことになります。しかし、宇宙が膨張しているという概念は、容易には受け容れがたい刺激的な宇宙観でもありました。宇宙の大きさは未来永劫不変であるとする定常宇宙論は根強く、その代表的な科学者であったフレッド・ホイルによってルメートルの考えた宇宙モデルは、多少の皮肉を込めて“ビッグバン”と名付けられたのです。

ルメートルの宇宙モデルをさらに発展させたジョージ・ガモフは、ビッグバンのはじめに一気に元素が作られたとする元素合成史モデルを提唱します。ガモフは、もしビッグバンが起きていれば、その時の残り火が絶対温度5度の宇宙背景輻射として観測されるだろうと予言しました。

ガモフの予言からおくれること16年、ベル研究所のアーノ・ペンジアスとロバート・ウィルソンは宇宙全体から等方的にやってくる電波の存在に気がつきました。電波の強度スペクトルは絶対温度3度の黒体スペクトルに一致することが分かりました。これにより、ビッグバン宇宙論はその地位を不動のものとしたのです。