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重星・連星

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重星と連星

夏の天の川の中に大きく羽を広げた形をしたはくちょう座があります。そのくちばしにあたる部分にある2等星が、アルビレオです。肉眼では1つの星にしか見えませんが、望遠鏡で覗いてみると実は接近した2つの星からなることがよくわかります。このように互いの距離が近くに見える星を重星(二重星)と呼びます。美しい色の対比から、宮沢賢治がトパーズとサファイヤにたとえたアルビレオは、夜空に数ある重星の中でももっとも有名な重星の1つです。ほかにも、かつて兵士の視力検査に使われたとされるおおぐま座のミザールとアルコルや、太陽からもっとも近い恒星系のケンタウルス座α星も有名な重星です。

重星の中でも、実際に近い距離にあって重力的な影響を及ぼしあい、互いに公転しあっているようなものを連星と呼んで、たまたま同じ方向に見えるために重星として観察される場合と区別しています。アルビレオも、重力的な影響を及ぼして束縛しあっている連星であることが知られています。連星系を構成する星は2つだけとは限らず、3つ以上の星からなる連星系も多く知られており、ミザールとアルコルは4重もしくは5重連星、ケンタウルス座α星は3重連星です。銀河系にある星の半数程度はこのような連星系だと考えられています。

アルビレオ (c) 国立天文台
アルビレオ (c) 国立天文台

多様な連星の世界

連星は、望遠鏡による観測によって分離できる実視連星と、分離はできなくともスペクトルの特徴が周期的に変化することで2星以上からなることがわかる分光連星に分類されます。連星の中には、互いの星が接触するくらい近くを回っているようなもの(近接連星)があることも知られています。そのような特殊な状況にある連星系では、片方の星のガスが一方の星の表面に降り積もるという現象が起きています。このような近接連星は、降り積もって高温になったガスが吹き飛ばされる新星爆発などの特殊な天体現象を引き起こす舞台となっているのです。

近接連星の想像図 (c) NASA/CXC/M.Weiss
近接連星の想像図 (c) NASA/CXC/M.Weiss