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カッシーニ

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関連情報

分類:月・惑星探査

名称:カッシーニ/Cassini
小分類:土星探査
開発機関・会社:アメリカ航空宇宙局(NASA)欧州宇宙機関(ESA)
運用機関・会社:アメリカ航空宇宙局(NASA)欧州宇宙機関(ESA)
打ち上げ年月日:1997年10月15日
打ち上げ国名:アメリカ・ヨーロッパ16ヵ国共同
打ち上げロケット:タイタン-4B
打ち上げ場所:ケープカナベラル空軍基地

土星太陽系の惑星としては、木星に次いで2番めの大きさを誇り、古くから、大きな環を持つ惑星として知られてきました。土星の環は、太陽系の惑星の中でも異彩を放つ大きさと美しさで、古くから観測者たちの心を引きつけてきました。しかしその成因や性質などは、これまでの探査でも明らかになってきませんでした。むしろ、「パイオニア」や「ボイジャー」といった、これまでの惑星探査機が撮影した写真からは、環について多くの謎が浮かび上がってきました。

土星には大小様々な衛星が存在しています。土星最大の衛星タイタンは、直径約5,000kmで、地球の月や惑星である水星よりも大きいばかりではなく、主に窒素からできている、地球よりも濃い大気を持っています。温度は非常に低いものの、その大気の底には有機物が存在すると思われており、生命の元になる材料さえあると考える科学者もいます。

「カッシーニ」は、アメリカ航空宇宙局NASA)と欧州宇宙機関ESA)の共同による土星探査ミッションであり、史上始めて土星を周回探査します。加えて、土星の最大の衛星タイタンに降下する突入機「ホイヘンス」も搭載されています。周回機「カッシーニ」をNASAが、突入機「ホイヘンス」をESAがそれぞれ担当しています。

「カッシーニ」、および「ホイヘンス」という名称は、それぞれ17世紀に活躍した天文学者、天文学者ジョヴァンニ・カッシーニ(1625年-1712年)および天文学者クリスティアーン・ホイヘンス(1629年-1695年)にそれぞれ由来します。ホイヘンスは、土星最大の衛星タイタン、および土星の環が環状であることを発見しました。またカッシーニは、土星の環に隙間があることを発見し、彼が発見した一番外側の隙間はカッシーニの間隙と名付けられました。

2004年7月1日に土星の周回軌道に乗り、2005年1月14日には突入機「ホイヘンス」を衛星タイタンに投下し、着陸させることに成功しています。

「カッシーニ」による周回探査は、当初は2008年までの予定でしたが、2013年3月現在も継続中であり、2017年までの延長が決定されています。

1.どんな形をして、どんな性能を持っているの?
「カッシーニ」本体は長さ6.7m、最大直径4m、打ち上げ時の質量約5,700kg(「ホイヘンス」を含む)です。カメラや赤外線カメラをはじめ、電波やプラズマ、磁場など、多くの観測機や分析器を装備しています。電力は原子力電池により供給されます。これは、太陽から遠く離れた土星においては、太陽電池パドルでは必要な電力を得ることが難しいためです。
ホイヘンス」は、直径約2.7mの円盤型をした、質量約320kgの小型突入機です。6つの科学機器を搭載しており、タイタンの大気に突入し、パラシュート降下しながら、その大気の組成や風速、さらには着陸できた場合には表面の様子なども観測し、謎に包まれた衛星の素顔を探ります。

2.どんな目的に使用されるの?
土星を史上初めて周回探査し、土星本体やその環、様々な衛星を観測します。また、大気を持つ大型衛星タイタンに突入機「ホイヘンス」を投下します。

3.宇宙でどんなことをし、今はどうなっているの?
2004年7月に土星の周回軌道に入り、土星本体やその環、様々な衛星について多くの観測を行ってきています。
突入機「ホイヘンス」によるタイタンへの着陸にも成功しました。
これらの観測により、以下のようなことが明らかになってきています。
土星の環の起源が太陽系誕生の頃に近い約45億年前まで遡れる可能性がある。
・衛星タイタンには地球とよく似た大気現象があり、その地殻内部には水とアンモニアからなる海が存在する可能性がある。
・直径約500kmの衛星エンケラドスには凍った地殻の地下に大量の液体の塩水が存在し、微生物の存在に適した環境である可能性がある。
土星の周回探査は当初、周回開始から4年間の予定でしたが、それを過ぎた2013年3月現在も探査機は機能を続けており、運用が継続されています。

「カッシーニ」が撮影した、土星、土星の環、衛星タイタン。(画像提供:Cassini Imaging Team/ISS/JPL/ESA/NASA)
「カッシーニ」が撮影した、土星、土星の環、衛星タイタン。(画像提供:Cassini Imaging Team/ISS/JPL/ESA/NASA)
「カッシーニ」が撮影した、衛星エンケラドスから吹き出す氷のジェット。(画像提供:NASA/JPL/SSI; Mosaic: Emily Lakdawalla)
「カッシーニ」が撮影した、衛星エンケラドスから吹き出す氷のジェット。(画像提供:NASA/JPL/SSI; Mosaic: Emily Lakdawalla)

4.打ち上げ・飛行の順序はどうなっているの?
1997年10月打ち上げ後、金星地球木星の順にスイングバイを実施して加速と軌道変更を行い、土星に向かう軌道に乗りました。

土星の周回軌道に乗ったのは、2004年7月1日のこと。打ち上げから約7年半という長い旅路でした。同年12月24日タイタンに接近し、その際に突入機「ホイヘンス」を切り離しました。その後「ホイヘンス」は翌年1月14日にタイタンの大気に突入してパラシュート降下し、タイタンの地表に着陸することに成功しました。