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彗星

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彗星の正体は"汚れた雪玉"

長い尾をひいて輝く彗星。その正体は、直径数kmの核と呼ばれる氷と岩のかたまりです。そのため「汚れた雪玉」とも呼ばれます。これが太陽に近づくと熱せられ、ガスや塵(ちり)が放出されて、核の周囲に「コマ」と呼ばれる大気をつくります。また、放出されたガスや塵は、太陽風に流されて「尾」を作ります。尾には2つの種類があり、1つは太陽と反対の方向にまっすぐ伸びる尾で、青く見えます。これは放出されたガスが電離してイオンになったものからできているもので「イオンテイル」と呼びます。もう1つは、幅の広い曲がった尾で、太陽の光を反射して白っぽく見えます。これは塵でできているもので「ダストテイル」と呼びます。尾の長さは、長いものでは数億kmにも達します。

彗星探査機「ジオット」が撮影したハレー彗星の核
彗星探査機「ジオット」が撮影したハレー彗星の核

宇宙のどこかにある「彗星の巣」

次から次へと彗星が現われるのは、どこかに「彗星の巣」があるからではないかと考えられていました。その1つが太陽から1光年もはなれた場所まで広がる「オールトの雲」です。オランダの天文学者ヤン・オールトが考えたものですが、その存在はまだ明らかにされていません。そしてもう1つが、アイルランドの天文学者ケネス・エッジワースとアメリカの天文学者ジェラルド・カイパーが考えた、海王星の外側に広がる「エッジワース・カイパーベルト」です。1990年代以降、このあたりから多くの天体が実際に発見され、現在ではこの領域にある天体を太陽系外縁天体と呼んでいます。

彗星の末路

彗星は、太陽に近づくたびに熱せられ、ガスや塵を放出して、次第に小さくなっていきます。蒸発するものがなくなり干からびた彗星は、小惑星の一種として観測されるようになります。また、もろくなって粉々に砕け散って消えてしまう彗星もあります。彗星は小さい天体ですから、大きな惑星に近づくと軌道が変えられてしまうこともあります。中には太陽や惑星に衝突してしまう彗星まであるのです。

1994年7月、木星に大衝突した彗星「シューメーカー・レビー9」
1994年7月、木星に大衝突した彗星「シューメーカー・レビー9」

さまざまな彗星が、長い時間をかけて太陽に近づく

1985~86年にかけて地球に接近したハレー彗星は有名です。ハレー彗星は76年周期で太陽に近づくので、次にハレー彗星太陽に近づき、地球から観測できるのは2061年になります。彗星の周期は短いもので約3年、長いものは何千年もかけて太陽に近づきます。このように規則正しく姿を見せる彗星もあり、周期200年以内のものは短周期彗星と呼びます。それ以上の周期をもつ彗星や、二度と戻ってこないような軌道の彗星もあり、それらを長周期彗星と呼びます。これまで観測された長周期彗星には、1996年の百武彗星、1997年のヘール・ボップ彗星、2006年のマックノート彗星などがあります。

尾を引いて流れる百武(ひゃくたけ)彗星
尾を引いて流れる百武(ひゃくたけ)彗星
イオンテイルとダストテイルの色の対比が美しかったヘール・ボップ彗星 (c)国立天文台
イオンテイルとダストテイルの色の対比が美しかったヘール・ボップ彗星 (c)国立天文台