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こども宇宙ニュース (2006-10-20) M-Vロケット、ごくろうさま

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9月23日、鹿児島県の宇宙空間観測所で、M-Vロケット7号機の打ち上げが行われました。これが最後の打ち上げです。M-Vロケットは1997年2月の 1号機の打ち上げから今回の打ち上げまで、火星や、小惑星イトカワに向かう衛星、遠くの宇宙を見る天文観測衛星など、様々な目的をもった衛星を打ち上げてきました。

9月23日午前6時36分、鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられたM-Vロケット7号機。直径2.5mで全長30.8m、重量は約140トンです。
9月23日午前6時36分、鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられたM-Vロケット7号機。直径2.5mで全長30.8m、重量は約140トンです。

M-Vロケットは3段式のロケットで全段に固体の燃料を使っています。全段固体燃料を使ったロケットで、遠く惑星間の軌道にまで衛星を打ち上げることができるロケットは、世界でM-Vロケットだけです。固体ロケットは構造が簡単で、瞬時に出せる力が大きいなどのメリットがあります。一方、ロケットの飛行をコントロールするのが難しいのですが、M-Vロケットは、固体ロケットの良さをいかし、高い性能を引き出すために色々な工夫と新しい技術が取り入れられました。

ロケットの燃料には「固体」と「液体」があります。日本ではM-Vロケット(左)が固体燃料を使い、H-IIAロケット(右)が液体燃料を使っています。
ロケットの燃料には「固体」と「液体」があります。日本ではM-Vロケット(左)が固体燃料を使い、H-IIAロケット(右)が液体燃料を使っています。

M-Vロケットは今から約50年前、日本で最初に作られた固体ロケット、ペンシルロケットの流れをくむロケットです。1955年、東京大学の故糸川英夫博士が長さ約23センチのペンシルロケットを水平に発射して、日本の固体ロケット開発は始まりました。その後、ベビー、カッパ、ラムダロケットと大きくなっていき、M(ミュー)ロケットシリーズに引き継がれました。

1955年4月、東京・国分寺で行われたペンシルロケットの水平発射実験(左)。長さ23cm、直径1.8cm、重さ200g。日本のロケット開発はこの小さなロケットから出発したのです。右はペンシルロケットを生んだ糸川英夫博士です。
1955年4月、東京・国分寺で行われたペンシルロケットの水平発射実験(左)。長さ23cm、直径1.8cm、重さ200g。日本のロケット開発はこの小さなロケットから出発したのです。右はペンシルロケットを生んだ糸川英夫博士です。

M-Vロケットは、1997年2月に電波天文衛星「はるか」、1998年7月に日本初の火星探査機「のぞみ」、2003年5月には小惑星探査機「はやぶさ」を打ち上げるなど、目的地や役割の異なる様々な科学衛星を打ち上げてきました。ロケットチームと衛星チームの協力によって、M-Vロケットが打ち上げた衛星は大活躍をし、宇宙の新しい姿を次々と私達に見せてくれています。

左から電波天文衛星「はるか」、小惑星探査機「はやぶさ」、火星探査機「のぞみ」。このほかにも、X線天文衛星や赤外線天文衛星、太陽観測衛星など重要な役割をもつ衛星を打ち上げました。
左から電波天文衛星「はるか」、小惑星探査機「はやぶさ」、火星探査機「のぞみ」。このほかにも、X線天文衛星や赤外線天文衛星、太陽観測衛星など重要な役割をもつ衛星を打ち上げました。

M-Vロケットは、引退することになりますが、JAXAではM-Vロケットの技術をいかして新しい固体ロケットを開発していく予定です。