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こども宇宙ニュース (2007-05-18) 帰っておいで。探査機「はやぶさ」

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2003年5月に打ち上げられた小惑星探査機「はやぶさ」は、約20億キロ飛び続けて2005年9月に小惑星イトカワ到着。数々の大発見を成しとげ、この4月25日に再び地球に帰るための旅に出ました。燃料もれや装置の故障など数々のトラブルを、「はやぶさ」チームは知恵を出し合い乗り越えてきました。地球到着目標は2010年6月。約3年の長い旅です。
ところで、「はやぶさ」が小惑星イトカワを詳しく調べた結果、イトカワでは、「地すべり」がひんぱんに起きて、その表面は活発に変化していることがわかってきました。

小惑星イトカワ。地球と火星の間の軌道を回っていて、長さが535mほどしかない、とても小さな小惑星です。イトカワの表面は科学者たちの予想に反して、大きな岩石が集まっている「でこぼこ」な場所(写真でラフ地域)と小石が敷き詰められた「なだらか」な場所(スムース地域)の2つに大きく分けられていました。その形は「ラッコ」に似ていますね。
小惑星イトカワ。地球と火星の間の軌道を回っていて、長さが535mほどしかない、とても小さな小惑星です。イトカワの表面は科学者たちの予想に反して、大きな岩石が集まっている「でこぼこ」な場所(写真でラフ地域)と小石が敷き詰められた「なだらか」な場所(スムース地域)の2つに大きく分けられていました。その形は「ラッコ」に似ていますね。

イトカワの全体積の4割ほどは「からっぽ」だそうです。こうした様子から、科学者達はイトカワは一枚岩ではなく、大きな天体に他の天体がぶつかって破壊され、その破片が集まってできた「がれきの寄せ集め」だと考えています。その表面を詳しく調べると、地上の地形によく似た様子がたくさん発見されました。中には「地すべり」が起こった跡のような地形も見つかっています。

イトカワの「でこぼこ」な場所をアップしてみた写真。小さな岩が大きな岩のすき間を埋めるように詰まっています。もしイトカワが、がれきが集まったままなら、こんな地形にはならないはずです。
イトカワの「でこぼこ」な場所をアップしてみた写真。小さな岩が大きな岩のすき間を埋めるように詰まっています。もしイトカワが、がれきが集まったままなら、こんな地形にはならないはずです。

500mほどの長さしかない、小さな星「イトカワ」になぜ地球のような地形があるのでしょうか。その原因は「振動」にあるようです。たとえば、隕石や宇宙のチリがイトカワに衝突するたびにイトカワが揺れて、土砂がまるで地すべりのように流れているのです。地球には隕石がぶつかってもびくともしませんが、小さなイトカワは、小さなチリがぶつかっても揺れて、その表面は活発に変化していると考えられます。
探査機「はやぶさ」はそのイトカワ表面のお土産を持って、地球に帰ってきてくれるかもしれません。

左が小惑星探査機「はやぶさ」。大きさは業務用の冷蔵庫の一回り大きいぐらい。探査機正面下の方に見えるのが直径40cmの「帰還カプセル」。右の写真がアップしたもの。このカプセルだけが、地球上空で切り離されてオーストラリア・ウーメラ砂漠に着陸する予定。カプセルの中には小惑星「イトカワ」のかけらが入っているかもしれない。
左が小惑星探査機「はやぶさ」。大きさは業務用の冷蔵庫の一回り大きいぐらい。探査機正面下の方に見えるのが直径40cmの「帰還カプセル」。右の写真がアップしたもの。このカプセルだけが、地球上空で切り離されてオーストラリア・ウーメラ砂漠に着陸する予定。カプセルの中には小惑星「イトカワ」のかけらが入っているかもしれない。

小惑星探査機「はやぶさ」は2003年5月9日、鹿児島県内之浦町から打ち上げられました。小惑星イトカワの表面から「かけら」を持って地球に帰ることを目的にしていますが、「はやぶさ」には世界初の技術がいっぱい詰まっています。高性能エンジン「イオンエンジン」や、カメラやレーザーなどの情報を元に自分で判断してイトカワに着陸する「自律航法(じりつこうほう)」。そしてイトカワの表面が硬い岩か細かい砂か、何も情報がない状態で、その表面からかけらを採る方法を考えました。そして、地球への帰還。カプセル表面は3000度にも達し、スペースシャトルが受ける加熱の30倍になると考えられています。世界で例のない新しい技術を、日本の技術者・科学者達が独創的に作り上げてきたのです。

左はイオンエンジンの地上での噴射試験。はやぶさには4台のイオンエンジンが積まれています。今後、月や火星、さらに遠い天体を往復する時代には、このイオンエンジンが欠かせないと考えられています。右は、神奈川県相模原の「はやぶさ」管制室で。交代で「はやぶさ」の状態を見守り、指令を送っています。
左はイオンエンジンの地上での噴射試験。はやぶさには4台のイオンエンジンが積まれています。今後、月や火星、さらに遠い天体を往復する時代には、このイオンエンジンが欠かせないと考えられています。右は、神奈川県相模原の「はやぶさ」管制室で。交代で「はやぶさ」の状態を見守り、指令を送っています。

イトカワに着陸後、「はやぶさ」は燃料もれなどのトラブルがありました。現在、4つのイオンエンジンのうち正常に使えるのは1台だけ、姿勢をコントロールする装置も3つのうち2つが故障など万全の状態ではありません。それでも「はやぶさ」チームは太陽光の圧力を利用した新しい姿勢コントロールの方法を考え出し、地球に向けての出発の準備を整えました。「はやぶさ」が地球に帰って来るために、技術者たちは今も必死にとりくんでいます。