JAXA | 宇宙情報センター SPACE INFORMATION CENTER

メニュー

メニュー

こども宇宙ニュース (2007-06-18) 人に優しい「Made in Japan」の飛行機を

シェア

関連情報

JAXAは宇宙へ飛ぶロケット人工衛星だけを開発しているのではありません。実は、私たちが国内や海外旅行などで利用する飛行機の開発にも協力していることを、知っていますか?・・といっても、今日本の上空を飛んでいる旅客機はほとんどが外国製です。2006年9月、日本でただ一つの国産旅客機だったYS-11が引退したのです。引退した機体を、JAXAは日本航空から譲り受け、研究用として使うことになりました。

YS-11は1960年代に日本初の民間用旅客機として空を飛び始め、182機が生産されました。標準座席数は64席です。日本では航空法の改正のために引退しましたが、海外では今も活躍しています。(提供:日本エアコミューター株式会社)
YS-11は1960年代に日本初の民間用旅客機として空を飛び始め、182機が生産されました。標準座席数は64席です。日本では航空法の改正のために引退しましたが、海外では今も活躍しています。(提供:日本エアコミューター株式会社)

JAXAが譲り受けたYS-11は1973年から2006年5月の最終運航まで33年間で約57,000時間を飛行した機体です。ニックネームは「おが」でした。長時間飛行した機体のどこが痛んでいるのか、開発時に考えたときと比べてどうなのか等を調べます。また次の国産旅客機の開発で、胴体部分や客室の構造を安全に設計するために役立てていきます。

JAXAに運び込まれたYS-11.実際に飛行した旅客機は、とても貴重です。これから分解して詳しく調べ、新しい旅客機の開発に生かされていきます。
JAXAに運び込まれたYS-11.実際に飛行した旅客機は、とても貴重です。これから分解して詳しく調べ、新しい旅客機の開発に生かされていきます。

それでは、日本が目指す新しい旅客機はどんなものでしょうか?それは一言で言えば「人に優しい」旅客機です。つまり、お客さんが安心して乗ることができる安全な機体であること、また空港の近くに住む人たちにとっては飛行機の離陸や着陸のときの騒音が少なく静かであること、そしてパイロットにとっては運転がしやすく、また省エネで地球にも優しい旅客機です。

日本がめざす国産の旅客機のイメージ図。正式名は「環境適応型小型航空機」で通称MRJ機です。座席は70~90席。三菱重工業を中心に開発が進められ、JAXAも共同研究しています。(提供:三菱重工業株式会社)
日本がめざす国産の旅客機のイメージ図。正式名は「環境適応型小型航空機」で通称MRJ機です。座席は70~90席。三菱重工業を中心に開発が進められ、JAXAも共同研究しています。(提供:三菱重工業株式会社)

人に優しい旅客機の実現のために様々な研究開発が進められています。たとえば、騒音を減らすためにはなるべく短い滑走路ですばやく離着陸することが必要ですし、エンジンなど機体から出る騒音をなるべく減らすための技術開発も必要です。また乗客の安全のために、万が一事故が起こっても乗客が怪我をしないように衝撃を吸収したり座席の安全性を高める研究も行っています。

大きな揚力を発生させたときの騒音を詳しく調べています。揚力とは飛行機の翼に働く空気の力で、この力で飛行機は空を飛ぶことができます。揚力を大きくすれば、早く離着陸できて、騒音を減らすことができます。
大きな揚力を発生させたときの騒音を詳しく調べています。揚力とは飛行機の翼に働く空気の力で、この力で飛行機は空を飛ぶことができます。揚力を大きくすれば、早く離着陸できて、騒音を減らすことができます。

このほかにも、航空機を低コストでもっと軽くできる材料の新しい製造技術の開発も行っています。航空機が軽くなれば、少ない燃料ですむので燃料代も安くなるし省エネルギーになります。日本が国産旅客機の開発を行うのは40年ぶりです。人にやさしく、快適なMade in Japanの旅客機が楽しみですね。