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こども宇宙ニュース (2007-10-16) 北極の氷が最小にーホッキョクグマにせまる危機!

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2007年の夏は暑かったですね。私たちの体温を超える40.9度もの最高気温が、埼玉県熊谷市、岐阜県多治見市で観測されました。地球の温暖化はやはり進んでいるのでしょうか。日本中で猛暑に悲鳴をあげる中、北極海の氷にも異変が起こっていました。2007年8月15日、北極海の氷を人工衛星で観測を始めてから、海氷の面積がもっとも小さくなったことがわかりました。海氷はその後も減り続け、2007年9月24日には最小面積を記録したのです。


北極をおおう海氷(白い部分)が2007年9月1日から26日まで変化をする様子を、NASA地球観測衛星アクア(AQUA)につんでいる、JAXAが開発したセンサ(AMSR-E)がとらえました。図の中央の黒丸と画面はじの黒い部分は衛星で観測できないところです。

北極海の海氷を人工衛星で観測するようになったのは、1978年のことでした。北極海の海氷の面積は季節によって大きく変化し、1日中日が沈まない白夜(6-8月)を過ぎた9月ごろに、毎年もっとも面積が小さくなります。1980年ごろの9月の海氷の面積は、750万km2ほどでしたが、その後次第に減っていき2005年9月には530万km2に、そして今年2007年9月にはさらに減少して、425.5万km2になってしまったのです。

2005年9月と2007年9月の海氷の分布を並べたもの。この2年間で日本列島2.8個分の面積の氷が減っています。今年の特徴は、シベリア・アラスカ沖のあたりで氷が減っていること、いつもなら溶けないカナダ北部の知間が浮かぶ海の海氷がなくなったことです。
2005年9月と2007年9月の海氷の分布を並べたもの。この2年間で日本列島2.8個分の面積の氷が減っています。今年の特徴は、シベリア・アラスカ沖のあたりで氷が減っていること、いつもなら溶けないカナダ北部の知間が浮かぶ海の海氷がなくなったことです。

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北極海の海氷が減ってしまうと、地球全体の気候や生き物たちに大きな影響を与えることが心配されます。たとえば、ホッキョクグマに与える影響は深刻です。ホッキョクグマたちの獲物はアザラシ。でもアザラシが多くいるところまで氷が張らないと、獲物をとることができないのです。米地質調査所の研究チームは、地球温暖化で海氷の減少が続くと、ホッキョクグマの数は50年以内に、現在の3分の1になるという予測を発表しています。

ホッキョクグマたちは、北極海の海氷の上をつたっていって、えさとなるアザラシをとります。氷がなくなるとアザラシの狩ができなくなり、生きていくことができなくなってしまうのです。(画像提供:海洋研究開発機構)
ホッキョクグマたちは、北極海の海氷の上をつたっていって、えさとなるアザラシをとります。氷がなくなるとアザラシの狩ができなくなり、生きていくことができなくなってしまうのです。(画像提供:海洋研究開発機構)

これから北極には厳しい冬が訪れます。いつもの年なら、とけた氷がまた凍って海氷に成長していきますが、今年の夏は白夜の時期に晴天が長く続いたために、たくさんの太陽光が北極の海に吸収され、熱として蓄えられています。そのために海氷の成長が遅れることが考えられます。来年の海氷はどうなるでしょう。これからも人工衛星からの観測、そして実際に北極圏の海での調査もあわせて、北極海の海氷の変化を見つめ続けていく必要があります。

2003年8月(左)と2007年8月(右)に北極海の観測船から撮影した、海氷。明らかに2007年は減っている。海での実際の観測も重要です。(画像提供:海洋研究開発機構 地球環境観測研究センター 北極海気候システムグループ http://www.jamstec.go.jp/arctic/)
2003年8月(左)と2007年8月(右)に北極海の観測船から撮影した、海氷。明らかに2007年は減っている。海での実際の観測も重要です。(画像提供:海洋研究開発機構 地球環境観測研究センター 北極海気候システムグループ http://www.jamstec.go.jp/arctic/)