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こども宇宙ニュース (2010-02-19)一番星・金星の気象のナゾにせまる「あかつき」衛星

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夜空が暗くなってくると、一番最初にきらりと光って見えてくる「一番星」が、地球のおとなりの惑星、金星です。金星は英語では「ビーナス(Venus)」と呼ばれローマ神話の愛と美の女神の名前です。ですが実際の金星は、「美」という名前のイメージとはむしろ逆で、とても厳しい環境です。

たとえば金星は厚い二酸化炭素の大気に覆われ、空には濃硫酸の雲が浮かんでいます。その大気圧は90気圧(深さ900mの海の底と同じ気圧)、地表面の温度は約460度という「灼熱(しゃくねつ)地獄」です。

もっとも不思議なのが、金星をふく風です。金星の上空約60kmを時速400kmという、すさまじい早さで風がふいているのです。金星の自転はゆっくりで自転速度の60倍にもなります。この現象は「スーパーローテーション」と呼ばれ、地球火星には見られませんが、土星の衛星タイタンには起こっていることがわかっています。

金星にふく高速の風(スーパーローテーション)と太陽系の他の天体との比較。
金星にふく高速の風(スーパーローテーション)と太陽系の他の天体との比較。

金星ではなぜこのような気象現象が起きるのでしょうか。2010年度、金星探査機「あかつき」を打ち上げて、5つのカメラで金星大気の動きを三次元的に立体でとらえます。金星は二酸化炭素の厚い大気に覆われているために、なかなかその地表の様子を観測できませんが、「あかつき」は赤外線や紫外線などのカメラを使って観測します。いわば、金星の「気象観測衛星」のようなものです。また、金星にある火山が今も活動を続けているのかも調べます。

金星地球と同じように約46億年前に誕生し、大きさも質量も近く、お隣にあるために地球の「兄弟星」とも呼ばれています。その兄弟星が、なぜこんなにも地球と違う姿になってしまったのか。「あかつき」はそのナゾを明らかにする糸口を見つけてくれるでしょう。

金星探査機「あかつき」は5つのカメラで金星の気象を徹底的に調べます。(提供:池下章裕)
金星探査機「あかつき」は5つのカメラで金星の気象を徹底的に調べます。(提供:池下章裕)