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こども宇宙ニュース (2010-03-02)宇宙医学―宇宙飛行士の健康を守れ

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地上で病気になったらお医者さんに行きますね。では宇宙飛行士が病気になったらどうするのでしょうか?そもそも宇宙ではどんな病気になりやすく、どんな対策がとられているのでしょうか。人間が宇宙に出てから約50年たった今、「宇宙医学」という分野が発達し、宇宙で健康に人間がくらすことができるのです。

宇宙ステーション地球上の生活と違う点は、3つあります。(1)無重力、(2)宇宙放射線。(3)閉じられた空間で同じ仲間と長期間くらすこと(家族や友人とあえないこと)、です。

では、どんな症状が考えられるしょうか。(1)無重力が原因となるものとしては、筋肉が衰えたり、骨の成分が尿の中に溶け出したりします。(2)の放射線については、すぐに変化はありませんが長年、大量の放射線をあびるとガンや白内障(はくないしょう)になるリスクがあります(これまで宇宙放射線が原因と報告された例はありません)。(3)については、不安になったり夜に寝られなくなったりする可能性があります。

宇宙でトレーニングをする若田飛行士。毎日約2時間の運動をし、骨の衰えを防ぐ薬をのんだ若田飛行士は、約4ヵ月半の宇宙滞在後すぐに元気に歩いて周囲を驚かせました。 (NASA提供)
宇宙でトレーニングをする若田飛行士。毎日約2時間の運動をし、骨の衰えを防ぐ薬をのんだ若田飛行士は、約4ヵ月半の宇宙滞在後すぐに元気に歩いて周囲を驚かせました。 (NASA提供)
宇宙で体重を計る若田飛行士。1ヵ月に一度、体重などを計る身体測定を行います。(NASA提供)
宇宙で体重を計る若田飛行士。1ヵ月に一度、体重などを計る身体測定を行います。(NASA提供)

地上と色々違うことがありますね。でも大丈夫です。様々な対策がとられています。

まず骨や筋肉の衰えについては、宇宙に行く前からトレーニングをして筋力をつけておき、宇宙でも毎日約2時間の運動をします。また放射線をどのくらい受けているかは、宇宙飛行士一人一人が放射線の計測器をつけて、一定の量を超えないように見守っています。

長い間、家族や友人と離れてくらすストレスを軽くするために、宇宙から地上の家族に好きなときに電話で話したりメールを送ったり、1週間に1回はテレビ電話もできるようになりました。さらに2週間に1回は、専門家とテレビ会議で心身ともに不調がないか、面談します。
地上では、運動、放射線、食事、精神心理の医学チームが宇宙飛行士をサポートしています。そして帰還後もリハビリのプログラムを組んでいるため、宇宙でも地上でも、宇宙飛行士は元気にくらすことができるのです。

救急訓練を行う野口飛行士。宇宙には、応急処置を行うための医療器具があり、宇宙飛行士達は実際の病院で実習を行ったりもしています。(JAXA提供)
救急訓練を行う野口飛行士。宇宙には、応急処置を行うための医療器具があり、宇宙飛行士達は実際の病院で実習を行ったりもしています。(JAXA提供)