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こども宇宙ニュース (2010-12-07) 「はやぶさ」小惑星のかけらを持ち帰る

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7年間の「宇宙の旅」から奇跡的な帰還をとげた小惑星探査機「はやぶさ」が、また大手柄です。回収された「はやぶさ」のカプセルの中に、小惑星イトカワの物質が発見されたのです!ただしその大きさは0.001~0.01mmと肉眼では見えないほど小さな微粒子(びりゅうし)です。1,500個の微粒子を特殊な顕微鏡で調べたところ、地上の物質とは異なっていて、イトカワの物質であることがわかりました。過去、人類は月の石を持ち帰ったことはありましたが、月以外の天体に着陸して、その表面から物質を持ち帰ったのは世界で初めてのことです。「世界初の偉業」を成し遂げたことになります。「はやぶさ」の責任者である川口淳一郎先生は「一粒でも持ち帰れればいいと思っていたが、必ずあると信じて地球に帰ってきた」と感慨深く話しています。

小惑星イトカワ
小惑星イトカワ
イトカワに着陸する探査機「はやぶさ」の想像図(画像提供:池下章裕)
イトカワに着陸する探査機「はやぶさ」の想像図(画像提供:池下章裕)

イトカワは540m×270m×210mの小さな小惑星で、地球火星の間の軌道を回っています。小惑星太陽系が誕生した当時の様子をそのまま留めている化石のような天体です。「はやぶさ」は2003年5月に打ち上げられ、2005年9月にイトカワに到着。11月に2回着陸しましたが、物質をとるために弾丸を表面に撃ち込むはずでした。ところがこの弾丸が発射されなかったことから、物質を持ち帰ることができたかどうかわからず注目を集めていました。イトカワから持ち帰った物質はたとえ少ない量でも、数十億年の情報を与えてくれる、とても貴重なものなのです。

回収カプセルの内部
回収カプセルの内部
サンプルコンテナ。この中にイトカワの物質が入っていました
サンプルコンテナ。この中にイトカワの物質が入っていました

では、そんなに小さな粒子がなぜイトカワのものだとわかったのでしょうか。約1,500個の粒子一つ一つの鉱物の種類とその割合を調べたところ、隕石(小惑星のかけらだと考えられている)の特徴と一致し、地球上の岩石の特徴とは異なっていたこと。具体的には、かんらん石が多く、輝石や斜長石も含まれていました。地上にもかんらん石はありますが、中に含まれる鉄とマグネシウムの比率が、異なっていたのです。また「はやぶさ」がイトカワ上空から調べた表面物質のデータと微粒子のデータが一致することなどが理由です。

微粒子を電子顕微鏡で見た写真
微粒子を電子顕微鏡で見た写真

はやぶさ」が持ち帰った物質の調査は、まだ始まったばかりです。「はやぶさ」はイトカワに2回着陸し、1階ごとに異なる部屋に物質を入れて持ち帰りました。これまではそのうち一つの部屋(A室)しか調べていませんが、もう一つの部屋(B室)のほうがたくさんの物質が入っていると期待されています。本格的な調査でどんなことがわかってくるのか、本当に楽しみですね。

作業風景
作業風景