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こども宇宙ニュース (2011-02-28) 金星探査機「あかつき」6年後の再チャレンジなるか

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金星探査機「あかつき」は金星の気象を調べることを目的として、2010年5月21日に種子島宇宙センターから打ち上げられた惑星探査機です。2010年12月に金星の周りを回る軌道に入ることを目指して、順調に飛行を続けてきました。しかし、金星の軌道に入ることができませんでした。何が起こったのでしょうか。

あかつき」は地球から打ち上げ後、金星を目指して高速で飛行してきました。そのままの速度で飛行を続けていては、金星を通り過ぎてしまいます。速度を落として、金星の重力に捕まえてもらわなければ、金星の周りを回れないのです。2010年12月7日、「あかつき」は速度を落とすためにエンジンの逆噴射(ぎゃくふんしゃ、速度を抑える向きに噴射すること)を開始しました。ところが、予定では12分間噴射しないといけないところを2分半ほどしか噴射しなかったのです。そのため、速度を落とすことができずに「あかつき」は金星を通り過ぎ、太陽を回る人工惑星となって今も飛行しています。

金星探査機「あかつき」イメージ図(画像提供:池下章裕)
金星探査機「あかつき」イメージ図(画像提供:池下章裕)

どうして「あかつき」は早く噴射を終えてしまったのでしょうか。地上に送られてきたデータを調べたところ、どうやら探査機の中で燃料が逆流することを防ぐためにつけられている弁が正常に働かず、燃料がうまく流れなかったのではないかと考えられています。

では、現在宇宙の旅を続けている「あかつき」はどうなるのでしょう。「あかつき」が積んでいる観測機器で金星を撮影したところ、ちゃんと働いていることがわかりました。今回、金星の軌道に入れなかった原因がきちんとわかれば、次に「あかつき」が金星に接近するときにもう一度逆噴射に挑戦し、金星の周りを回って観測ができる可能性があります。

そのチャンスは2016年12月~2017年1月の予定です。

金星地球とほぼ同じ大きさで重力があるため、その周りを回る軌道に入るのは技術的に簡単なことではありません。外国の探査機もたびたび失敗しています。でも、これから日本が宇宙の探査を続けていくためにはぜひ、獲得するべき技術です。「あかつき」チームは今も原因究明や確認テストを一生懸命続けています。これからも「あかつき」を応援し、見守って下さい。

2010年12月9日、金星からの距離約60万kmから撮影した金星。観測機器は正常です。
2010年12月9日、金星からの距離約60万kmから撮影した金星。観測機器は正常です。