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こども宇宙ニュース (2011-03-19) もっと手軽に宇宙へ-イプシロンロケット

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大きなロケットが轟音(ごうおん)をとどろかせて宇宙を目指す打ち上げの風景は感動的です。宇宙に大きくて重たい荷物を運ぶには、大型ロケットが必要です。その一方で小さくて軽い人工衛星を手軽に打ち上げたいという要求も最近、増えています。そこで小さい衛星を手軽に打ち上げる小型ロケットの開発が進められています。その名は「イプシロンロケット」。どんなロケットでしょうか。

イプシロンロケットの想像図
イプシロンロケットの想像図

イプシロンロケットは全長が24m、質量が91トン。現在、日本で人工衛星を打ち上げるために活躍中のH-IIAロケットの半分ほどの小さなロケットです。3段式ロケットで1段目はH-IIAロケットの補助ブースタを活用、2段目と3段目は2006年まで活躍していたM-Vロケットの上段を改良して使います。燃料には、取り扱いが液体燃料より簡単な固体燃料を使います。

断面図。3段式でこれまでのロケット技術が活かされています。
断面図。3段式でこれまでのロケット技術が活かされています。

イプシロンロケットの特徴は「打ち上げを手軽にする」ことです。これまではロケットを安全に打ち上げるために、組み立てや点検に何百人もの技術者が長い時間をかけて作業をしていました。たとえばM-Vロケットでは、発射台に第一段ロケットを立ててから打ち上げまで、2ヵ月近くもかかりました。

イプシロンロケットは、ロケットの部品を減らして組み立てをプラモデルのように簡単にします。さらにロケットに人工知能を持たせて、異常なところがないか自分自身で点検させます。その結果、発射台に第一段ロケットを運んでから約1週間で打ち上げられるようになるそうです。

イプシロンロケットの発射管制の様子(想像図)
イプシロンロケットの発射管制の様子(想像図)

また、発射管制室も大きく変わります。ロケットの発射時には管制室にたくさんの管制官が座り、ロケットに異常がないか確認します。イプシロンロケットは自分で異常を点検するため、打ち上げ作業はノートパソコン1~2台で数人でできるようになります。しかも発射場の近くにいなくても、世界中のどこからでもネットワークにノートパソコンを接続すればロケットを打ち上げられるというのです。画期的ですね。

イプシロンロケットの打ち上げは2013年度を目標に開発が進められています。小型科学衛星1号機「SPRINT-A」をのせて鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられる予定です。