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こども宇宙ニュース (2011-03-31) 「地球直径3倍」の巨大な電波望遠鏡で銀河の中心に迫る-ASTRO-G

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宇宙にはたくさんの銀河があります。また、銀河の中には光で観測すると中心部が異常に明るく光っているものがあります。中心部の大きさは銀河の直径の数千~数十万分の一と小さいのに、明るさは銀河全体と同じかそれ以上に明るいのです。こんなに明るい銀河中心部を「活動銀河核」と呼んでいます。

活動銀河核で何が起こっているのか、太陽の何百倍以上の質量をもつ巨大なブラックホールがあって物質が吸い込まれたり、ジェットが噴き出したりなど様々な現象が起きていると考えられますが、その様子はまだよくわかりません。その現場をとらえようという衛星が電波天文衛星「アストロ(ASTRO)-G」です。

電波天文衛星ASTRO-Gは地上の電波望遠鏡と協力し、「巨大な電波望遠鏡」となって宇宙を観測します。
電波天文衛星ASTRO-Gは地上の電波望遠鏡と協力し、「巨大な電波望遠鏡」となって宇宙を観測します。

ASTRO-Gは「電波」を観測する衛星です。最大の特徴は、宇宙の衛星と地球上にある複数の電波望遠鏡が協力することで、地球の直径以上の「巨大な電波望遠鏡」を実現することです。どういうことでしょうか。

例えば二つの電波望遠鏡を100km離して、同じ一つの天体を調べると、天体から電波が届く時間が少しずれます。二つの望遠鏡で観測したデータを持ち寄って詳しく調べると、口径100kmの望遠鏡で調べるのと同じぐらいに、天体までの距離を調べることができます。二つの望遠鏡の距離が離れているほど、天体からの電波が届く時間が違うので、より詳しく天体のことが調べられます。さらに望遠鏡が複数の場所にあれば、様々な距離と角度から天体を観測し、詳細な位置を割り出すための情報が得られます。

ASTRO-Gは、望遠鏡の距離を離すために宇宙に飛び出して天体を観測し、その観測データと地上の望遠鏡の観測データを組み合わせることで、地球の直径の約3倍にあたる望遠鏡を実現しようとしています。これほど大きな望遠鏡なので、月にある球がソフトボールかピンポン球かを見分けられるほど、細かく観測できるのです。

ASTRO-Gの開発が進められていますが、観測にとって重要な高精度9m大型展開アンテナは技術的に非常に難しいもので、現在克服すべき課題が見つかっています。課題を解決するための技術検討に全力で取り組んでいます。