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こども宇宙ニュース (2011-12-21) 古川宇宙飛行士、宇宙長期滞在を終えて帰還

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2011年11月22日、古川聡宇宙飛行士国際宇宙ステーション(ISS)から地上へ帰ってきました。6月8日に打ち上げられてから宇宙に滞在した時間は、167日6時間14分。日本人宇宙飛行士で連続して宇宙にいた時間では過去最長となりました。

11月22日 宇宙から帰還したばかりの古川聡宇宙飛行士(出典:JAXA/NASA/Bill Ingalls)
11月22日 宇宙から帰還したばかりの古川聡宇宙飛行士(出典:JAXA/NASA/Bill Ingalls)

古川宇宙飛行士が宇宙に滞在している間には様々なできごとがありました。7月には30年間飛行してきたNASAスペースシャトル最後の宇宙飛行が行われ、国際宇宙ステーションにドッキングした宇宙飛行士の仲間達を迎えました。また8月末にはロシアの貨物船打ち上げが失敗。その後の宇宙飛行士の打ち上げが遅れたために、古川宇宙飛行士らは6人で過ごす予定が3人でいる期間が長くなり、大忙しで仕事をこなす日々を送りました。その他にも、宇宙ゴミが宇宙に接近して、宇宙飛行士達が緊急帰還機に避難するなどの緊急事態もありました。どんな時も古川宇宙飛行士は常に安定して冷静に対応しました。

ではどんな仕事をしていたのでしょうか。古川宇宙飛行士「きぼう」日本実験棟で70もの実験を行ったほかアメリカやヨーロッパなど外国の実験も行っています。医師としての経験を活かした実験も数多くあります。たとえば日本の実験では宇宙と地上を結んで脳波や心電図を測るなど健康診断を行ってカルテを作成しました。これは宇宙飛行士自身が、宇宙で健康状態を把握するのが目的の一つですが、古川宇宙飛行士は医師でない宇宙飛行士も使いやすくなるように改善点を伝えました。

宇宙で健康診断を行う古川宇宙飛行士の様子を地上のお医者さんも見守ります。(出典:JAXA)
宇宙で健康診断を行う古川宇宙飛行士の様子を地上のお医者さんも見守ります。(出典:JAXA)

また、自分の身体の変化についても積極的に発信しました。宇宙到着直後は「宇宙酔い」にかかり「頭を急に動かすとウゲー、気持ち悪くて吐き気がする」と伝えています。逆に無重量の宇宙から重力のある地上に帰ってきたときには「身体はまるで軟体動物のよう」と表現しています。「身体の重心がどこだか全くわからず、立っていられない、歩けない」というのです。なぜでしょう。

(無重量の)宇宙では身体を斜めに傾けても身体のバランスは保たれていて、脳がその状態にすっかり慣れてしまったのではないかと古川宇宙飛行士は言います。詳しく説明すると、バランスを保つには平衡感覚をつかさどる耳の奥の前庭器官や筋肉の奥のセンサーが働き、センサーからの入力を元に脳が筋肉に指令を出します。これらがすっかり「宇宙仕様」になってしまったのです。

古川宇宙飛行士は帰還後からNASAで「地上仕様」の身体に戻すためのリハビリを始めています。つまり「宇宙人」の身体を「地球人」に変化させているのです。宇宙に長くいたからこそ起こるこうした変化は、とても興味深いですね。