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こども宇宙ニュース (2012-03-29) 「こうのとり」3号機、宇宙の星出彰彦飛行士に荷物を届ける?!

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宇宙ステーション補給機「こうのとり」は、国際宇宙ステーションISS)に荷物を運ぶ、無人の貨物船です。最大6トン、つまり2トントラック3台分もの荷物を積んで、種子島宇宙センターから、日本で一番力持ちのロケットH-IIBケットで打ち上げられます。今まで「こうのとり」は2回打ち上げられ、どちらも成功を納めていますが、その時ISSには日本人宇宙飛行士はいませんでした。今回、「こうのとり」3機は7月21日に打ち上げられる予定ですが、ISSには星出彰彦宇宙飛行士が待ち受けている可能性が高く、「こうのとり」3号の捕獲作業を行うかもしれません!

ISSは、高度400kmの宇宙を周回する研究所です。2000年11月から宇宙飛行士たちが交替で暮らしながら様々な実験を行っています。宇宙空間は真空で放射線が飛び交い、温度差の激しい苛酷な環境で、人工的に「ミニ地球」を作っているのがISSです。食料を自給自足できるほどの環境は整っていないため、食料や着替え、飲料水などを定期的に運ぶ必要があります。また新しい実験装置や実験試料を運んで、数多くの実験を実施するのも大切なことです。そして帰りにはISSに貯まっている不要品を持ち帰ります。そのため、ロシアは貨物船「プログレス」、ヨーロッパ宇宙機関は「ATV」を打ち上げています。米国はスペースシャトルが引退してしまったので、民間会社が貨物便を開発しています。

貨物便にはそれぞれ特徴がありますが、「こうのとり」だけの特徴は、バッテリーなど船外用の荷物を積めることと、他の貨物便より大きな荷物を積めることです。スペースシャトルが引退した後、船外用荷物を運べるのは「こうのとり」だけなので、世界が頼りにしています。もう一つの特徴は、ISSへの結合の方法です。プログレスやATVはそのままISSに結合しますが、「こうのとり」はISSの下方10mにぴたっと静止させて、ISS内の宇宙飛行士がロボットアームで掴んでISSに結合させます。それだけに地上と宇宙の連携作業、つまりチームワークが重要になります。

星出彰彦宇宙飛行士は、7月15日にISSに向けて打ち上げられる予定で、順調にいけば宇宙到着後に「こうのとり」3号を向かえることになります。実際にロボットアームを操作する担当になるかどうかはまだ決まっていませんが、誰が担当してもいいように訓練は積んでいます。時速2万8千キロで飛行するISSとぴったり速度を合わせて、ISSの下方から「こうのとり」を接近させるのは、非常に高い技術が必要。少しでもぶれると、ロボットアームでの捕獲が難しくなるのです。ですが初号機も2機も、日本の「こうのとり」チームはぴたっと静止させることに成功しています。初号機でISS内から「こうのとり」を捕獲したNASAのニコール・ストット飛行士は、成功のお祝いに宇宙からつくば宇宙センターにあるHTV運用管制室に、お寿司の出前を届けたそうです。今は、「こうのとり」に冷蔵庫がないので生鮮食品は届けられませんが、いつか、宇宙にお寿司が届けられるようになるといいですね。

ロボットアームで捕獲された「こうのとり」2号機(画像提供:JAXA/NASA)
ロボットアームで捕獲された「こうのとり」2号機(画像提供:JAXA/NASA)
「こうのとり」には空気が満たされた部屋があり、ISSにドッキング後は宇宙飛行士が中に入って作業を行います。(画像提供:JAXA/NASA)
「こうのとり」には空気が満たされた部屋があり、ISSにドッキング後は宇宙飛行士が中に入って作業を行います。(画像提供:JAXA/NASA)
ロボットアームの訓練を行う星出彰彦宇宙飛行士(画像提供:JAXA/NASA)
ロボットアームの訓練を行う星出彰彦宇宙飛行士(画像提供:JAXA/NASA)
ロボットアームの訓練を行う星出彰彦宇宙飛行士(画像提供:JAXA/NASA)
ロボットアームの訓練を行う星出彰彦宇宙飛行士(画像提供:JAXA/NASA)