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こども宇宙ニュース (2013-12-10) アイソン彗星が教えてくれたこと

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2013年は彗星が次々にやってくる、「彗星の当たり年」でした。3月にはパンスターズ彗星が近づき、秋にはアイソン彗星、ラブジョイ彗星が話題になりました。彗星は本体の大きさが数キロメートルから数十キロメートルのとても小さな天体で、約8割が水(氷の状態)、残りは二酸化炭素や一酸化炭素、チリなどです。特徴は太陽に近づくと熱であぶられて氷が蒸発し、吹き出したガスや塵が長く尾を引くことです。

特にアイソン彗星は、太陽にとても近い距離(太陽中心から約190万㎞)まで近づき、かすめるような軌道を通るために、太陽の熱で彗星本体から大量のガスや塵が吹き出して、明るく輝くと共に、尾を長くたなびかせることが期待されていました。

2013年11月5日の明け方(ハワイ時間)、すばる望遠鏡で撮影されたアイソン彗星。尾が1度角以上(満月の見かけの直径の2倍以上)のびています。(提供 国立天文台)
2013年11月5日の明け方(ハワイ時間)、すばる望遠鏡で撮影されたアイソン彗星。尾が1度角以上(満月の見かけの直径の2倍以上)のびています。(提供 国立天文台)

アイソン彗星は11月29日早朝(日本時間)、太陽に最も接近しました。ところが太陽にもっとも近づく直前から彗星の核が暗くなった様子が観測されています。太陽の熱で核が崩壊を始め、大きめの破片に分裂し、溶けてしまったと考えられています。これまでも、太陽に近づいた時にバラバラに壊れて消えてしまった彗星もありました。でもアイソン彗星の核は数キロメートルと大きいため、崩壊はしないと考えられていたのです。

太陽観測衛星SOHOがとらえた、太陽最接近前後のアイソン彗星。(太陽中心は明るすぎるため遮蔽板でかくしています。)(提供 NASA)
太陽観測衛星SOHOがとらえた、太陽最接近前後のアイソン彗星。(太陽中心は明るすぎるため遮蔽板でかくしています。)(提供 NASA)

なぜ、予想と違ったのでしょうか?彗星には、太陽の周りを周期的に回るタイプの彗星と、一回しか太陽に接近しないタイプの彗星があります。周期的に訪れる彗星は、どんな彗星かその素性がよくわかっていますが、アイソン彗星は約100万光年先の「オールトの雲」と呼ばれる彗星のふるさとから、はるばるやってきた彗星であり、どんな性質か、訪れるまでよくわからなかったのです。

このように、彗星には科学者にもわからないことがまだたくさんあることをアイソン彗星は教えてくれました。彗星は太陽系が46億年前に出来た頃の 物質をとどめた化石のような天体です。彗星を調べることで、この太陽系の成り立ちを知ることができるのです。

アイソン彗星は、残念ながら消えてしまいましたが、12月の明け方の空にはラブジョイ彗星が見えています。双眼鏡で探してみましょう。