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こども宇宙ニュース (2014-04-15)  大きな地震に備える宇宙の目「だいち2号」5月打ち上げ

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2014年5月24日、「だいち2号」という名前の人工衛星が打ち上げられる予定です。「だいち2号」は平成2006年から2011年まで約5年間活躍した「だいち」の後継機であり、「だいち=大地」という名前の通り、地球の陸地をくわしく調べる地球観測衛星です。

地球の高度約628km上空で北極と南極を結ぶ軌道を飛ぶ「だいち2号」の想像図。地球側に広げている板状のものが観測に使うレーダ。
地球の高度約628km上空で北極と南極を結ぶ軌道を飛ぶ「だいち2号」の想像図。地球側に広げている板状のものが観測に使うレーダ。

だいち2号」の大きな目的の一つは、「大きな災害に備える」ことです。2011年3月11日には東日本大震災が起きて東北地方を中心に大きな被害がもたらされました。日本は災害大国と言われ、将来も各地で大きな地震が起きることが予想されています。

例えば東日本大震災の際も、「だいち」は世界の地球観測衛星と協力しながら緊急観測を行いました。被災地の様子をくり返し観測し、400シーン以上の画像を撮りました。それらの画像は防災に関係する機関や現地の対策本部に届けられ、被害の状況を正確に知り、二次災害が起こる危険のある地域を把握するのに役立てられました。また津波により沿岸部で水が溜まっている場所が多数ありましたが、どこにどのくらいの量の水があるかを衛星画像から割り出し排水作業に役立てたり、沿岸の漂流物の確認も行ったりしました。

だいち2号」は「だいち」に積んでいた2つの観測センサーのうち、雨でも夜でも観測できるレーダを積み、さらに発展させています。たとえば電波の強さは「だいち」の2.5倍、受信機の感度も2~3倍にあげて、弱い電波もとらえられるようにしました。そして細かいところを見分ける能力も向上し、地上の1~3mものを見分けられます(「だいち」は10m)。視力がいいだけでなく、一度に見られる観測幅も2,320kmまで広がりました。つまり、広い範囲にわたって細かい部分まで見ることができるのです。そして大事なのは観測が必要なときすぐに観測できること。日本で災害が起きた場合には約12時間以内に画像を撮影できるようになります。

2014年2月26日、種子島宇宙センターで打ち上げ準備に入る「だいち2号」。
2014年2月26日、種子島宇宙センターで打ち上げ準備に入る「だいち2号」。

もちろん、「だいち2号」が活躍するのは、災害時だけではありません。国全体の様子を観測することは、地図情報にとって重要です。また森林は温室効果ガスを吸収してくれるので、世界の森林の変化を観測することも地球環境全体にとって大事です。「だいち」は南米ブラジルの熱帯林で行われる違法伐採を観測し、地元警察と協力して、違法伐採を減らすという実績をあげました。ところが「だいち」の観測が終了したとたん、違法伐採がまた増えてしまいました。現地からは「だいち2号」で早く観測を再開してほしいという声があがっています。「だいち2号」が宇宙で活躍する日を日本だけでなく、世界が待ち望んでいるのです。