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こども宇宙ニュース (2015-03-27) ソユーズ宇宙船打ち上げの際、ロシアで行う儀式とは?

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この5月から、油井亀美也宇宙飛行士宇宙ステーションで長期滞在を始めることは前回の記事で書きました。油井飛行士が乗るソユーズ宇宙船は、ロシアの南にあるカザフスタン共和国のバイコヌール基地から打ち上げられます。

実はロシアには、ロケット打ち上げの際、様々な「儀式」があるのを知っていますか?1961年に人類で初めて宇宙に行ったユーリ・ガガーリンの打ち上げが成功したことから、ガガーリンが打ち上げ前に行ったことをその後の宇宙飛行士たちが忠実に受け継いでいるのです。「ゲン担ぎ」のようなものです。

たとえば打ち上げ数日前には、宿泊しているコスモノートホテルの庭に植樹をします。ガガーリンをはじめロシアの歴代の宇宙飛行士が植樹をしているので「宇宙飛行士並木」と呼ばれています。

打ち上げ前に植樹を行う宇宙飛行士たちと、見守る油井亀美也飛行士。(後列右端)
打ち上げ前に植樹を行う宇宙飛行士たちと、見守る油井亀美也飛行士。(後列右端)

打ち上げ前夜は、宇宙飛行士がそろってある映画を見ます。「砂漠の白い太陽」という映画で、宇宙にはあまり関係ないそうです。その後、サウナに入ります。ロシア人はサウナが大好きなのです。

打ち上げ当日はホテルを出る前に、ドアにサインをして、ロシア正教の神父さんから聖水をかけてもらいます。若田飛行士は聖水をたっぷりかけてもらってびしょびしょになるほどだったそうです。

打ち上げ当日の朝、ロシア正教の司祭による祈りの儀式を受ける若田光一宇宙飛行士。
打ち上げ当日の朝、ロシア正教の司祭による祈りの儀式を受ける若田光一宇宙飛行士。

ホテルから出て、いよいよバイコヌール宇宙基地に向かいます。ホテルから出る時にかけられる曲も決まっています。「トラバウドーマ」(家の近くの庭)という曲で、宇宙から地球を懐かしむような内容の歌です。その後、宇宙基地内で宇宙服に着替えた宇宙飛行士たちは、家族やメディアが見守る中、「行ってきます!」の宣誓式を行ってバスに乗って発射台に向かいます。

発射台の少し手前でバスは止まり、宇宙飛行士たちはバスをいったんおります。そしてなんと!バスの後輪に立小便をするのです。ガガーリンが打ち上げ前に我慢できずにそうしたらしいのですが、こんなことまで忠実に守るとは面白いですね。

宇宙開発には最先端のイメージがあるかもしれません。でも宇宙船を操縦するのは人間です。大先輩が築いた宇宙開発の歴史に敬意を払い伝統を受け継ぎながら、さらに新しい領域を切り拓いていく。油井飛行士も「ソユーズ宇宙船は古い宇宙船だが新しい技術を取り入れながら少しずつ改良している非常に優れた宇宙船だ」と言っています。油井飛行士の打ち上げの際には、「ロシアの伝統と儀式」に注意しながら見守ってくださいね!

コスモノートホテルのドアの前に立つ油井亀美也宇宙飛行士。5月には油井飛行士もここにサインを書くことになります!
コスモノートホテルのドアの前に立つ油井亀美也宇宙飛行士。5月には油井飛行士もここにサインを書くことになります!