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恒星までの距離をはかる

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太陽系の天体よりもはるかに遠くにある星までの距離を測ることは、簡単ではありません。距離に応じたさまざまな測り方が提案されていますので、近くから順番に紹介していきましょう。

年周視差の利用

最も近くにある星々までの距離を測るには、三角測量の原理を応用します。離れた2点から同じ対象を観察した際に、近くの対象ほど背景に対して位置がずれて見えます。例えば手に鉛筆を持って、片目ずつ交互に見ると、その位置が背景に対してずれて見えるのと同じ現象で、このときのずれた角度の半分を「視差」といいます。地球太陽のまわりを公転していますので、例えば夏と冬に同じ星を観測すれば、地球太陽の間の距離の2倍離れた位置から同じ星を見たことになります。そして、観測された視差(年周視差と呼びます)をもとに距離を見積もることになります。

この方法だと比較的正確に距離を測定できるのですが、天体までの距離が遠くなると年周視差が小さくなりすぎて、正確な距離の測定が難しくなります。ESAが1989年に打ち上げた観測衛星「ヒッパルコス」は、1ミリ秒角(3,600,000分の1度)の精度で視差を測定しましたが、視差が1ミリ秒角の天体までの距離はおよそ3,000光年です。国立天文台を中心として2003年から観測が行われている「VERA」計画では、電波干渉計の手法を用いて年周視差を10マイクロ秒角の精度で測定し、銀河系内の電波天体の3次元地図を作成しています。また、赤外線天文衛星を用いて宇宙空間から星の位置や運動を測定し、VERAと同程度の精度で観測を行おうという「JASMINE(ジャスミン)」計画もあり、2014年の打ち上げを目指して国立天文台とJAXAを中心として検討開発が進められています。

本当の明るさと見かけの明るさの関係を利用

より遠い距離にある星までの距離は、その星の明るさを元に見積もります。天体から来る光の量は距離の2乗に反比例します。したがって、本当の明るさからどれほど暗くなっているかが分かれば、距離を見積もることができます。星の本当の明るさを見積もることはなかなか難しいのですが、例えば、ある種の変光星は変光周期と本当の明るさの間に関係があることが知られています。これらの関係を元に本当の明るさを求め、距離を見積もります。