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赤方偏移発見に貢献したドップラーとフラウンホーファー

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実際に手にとって調べることのできない宇宙のさまざまな現象を理解するには、どのようにしたら良いのでしょうか。さまざまな天文現象を物理学的に理解するための重要な方法は、19世紀に相次いで確立されました。

天体の運動を測るドップラー効果

オーストリアのクリスチャン・ドップラーは、近づいてくる物から発せられる音は高く聞こえ、遠ざかる音は低く聞こえるという現象は、観測者と振動源の相対運動によって変化するということを突き止めました。当時、この発見はあまり注目されませんでしたが、のちにフランスのアルマン・フィゾーが、光についてもこの理論があてはまることを実証し、光源が遠ざかるときは光は赤い方へ偏移し(赤っぽく見え)、近づくときは青い方へ偏移する(青っぽく見える)ことを明らかにしました。この現象を光のドップラー効果と呼びますが、これを利用して、天体から来る光を分析することで光を放った天体がどのような運動をしているかを知ることができるようになったのです。

星の成分を知る手がかり、フラウンホーファー線

ドイツのヨゼフ・フォン・フラウンホーファーは、光学機械商としてレンズの開発にたずさわっていましたが、研究の過程で太陽スペクトルの中に多くの黒い線(暗線)が含まれていることを発見します。これらの暗線はのちにフラウンホーファー線とよばれることになりますが、彼は太陽スペクトル中に見える700本の暗線を測定し、その波長を報告しました。

この暗線が、太陽の表面の温度の低いガスによって吸収されたものであることを確認したのはドイツのグスタフ・キルヒホフです。彼は、太陽のスペクトル中に、実験室で観測されるものと同じナトリウムに由来する暗線があることに気がつきます。これによって、初めて宇宙にも地球と同じ物質が存在していることが示されたのです。

19世紀の物理学の発展により、天体もまた物理学の対象となることが明らかになり、20世紀の天体物理学繁栄の基礎が固められていったのです。

フラウンホーファー線
フラウンホーファー線