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世界の地球観測衛星

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関連情報

地球規模で起こる大規模な環境変化や災害を監視するために、人工衛星を使った観測が欠かせないものとなっています。陸域・海洋、気象・大気・環境など目的ごとに衛星が開発され、数多くの地球観測衛星が地球を観測しています。

宇宙から見た地球の観測データの利用は、気象の情報を得ることから始まりました。アメリカのNOAA(アメリカ海洋大気庁)は気象観測衛星「GOES」シリーズと「NOAA」シリーズを運用しています。欧州では静止気象衛星「Meteosat」シリーズが活躍し、現在は「MSG」が観測を行っています。

地球の観測を目的とした気象衛星以外の初の地球観測衛星は、1972年にアメリカが打ち上げた「LANSAT-1」です。その後、各国の宇宙機関などがさまざまな地球観測衛星を打ち上げてきました。主な地球観測衛星として、アメリカの「LANDSAT」シリーズ、「TERRA」、フランスの「SPOT」シリーズ、欧州宇宙機関(ESA)の「欧州リモートセンシング衛星(ERS-1、2)」、インドの「IRS」シリーズ、カナダの「RADARSAT」シリーズなどがあります。

地球観測衛星の取得データは、打ち上げた各国の宇宙機関などによって集積されてきましたが、地球規模で起こる環境の変動を正確に長期的に捉えるためには、長期間にわたり、一定の精度で観測を続けることが必要です。1984年に日本と欧州、アメリカなどが協同し、世界中の地球観測衛星ミッションを調整する国際プロジェクトの地球観測衛星委員会(CEOS)が設立されました。国の枠組みを越えて協力し、体系的な観測を行い、観測データを収集し、そのデータを世果中の研究者に提供しています。

2000年には欧州の宇宙機関の呼びかけにより、「国際災害チャータ」(正式名称:「自然または人為的災害時における宇宙設備の調和された利用を達成するための協力に関する憲章」)が発効しました。これは、世界各地で起きた自然災害の被災地の衛星画像を当該政府などに提供し、救援や復旧活動に役立てるための国際的協力の枠組みで、現在10の機関・コンソーシアムが参加しています。

日本がこの取り組みに参加したのは2005年からで、陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)が、地震にともなう地殻変動や洪水で冠水した地域などの緊急観測を行っています。

2011年1月、「だいち」の赤外線放射計でとらえたブラジルの洪水被災地のようす
2011年1月、「だいち」の赤外線放射計でとらえたブラジルの洪水被災地のようす

アメリカ

NASAやNOAAが各種の地球観測衛星を多数打ち上げています。地上の様子や環境を観測する「LANDSAT」はシリーズ化され、7号機まで打ち上げられています。観測データは無償で提供され、データは広く利用されています。さらに、偵察衛星技術を民間に開放し、国がデータ購入を保証する政策により、高解像度のデータ取得が可能な地球観測衛星を民間企業が開発し、商業的に運用しています。

またNASAでは、1980年代から複数の地球観測衛星による気候変動監視の取り組みを計画し、1990年代から長期的に地球を観測する「EOSプロジェクト(地球観測システム計画)」をすすめています。海洋を観測する「Jason」シリーズ、「Aqua」、陸域を観測する「Terra」などを打ち上げ、運用しています。さまざまな地球観測衛星が観測したデータを統合して活用し、地球のシステムの解明や、機構・天気・自然災害の予測改善に応用しています。

地球観測衛星「LANDSAT」
「LANDSAT-1」は、1972年1月にアメリカが打ち上げた世界最初の地球観測衛星です。優れた観測能力から、宇宙から地球を観測するリモートセンシング技術の有用性が認識されるようになりました。シリーズ化され7号機まで運用されています。

「LANDSAT」7号機が撮影した2010年のメキシコ湾原油流出事故の現場(画像提供:NASA)
「LANDSAT」7号機が撮影した2010年のメキシコ湾原油流出事故の現場(画像提供:NASA)

リモートセンシング衛星「IKONOS」
アメリカの軍事偵察衛星の技術をもとに開発され、1999年9月に打ち上げられた世界初の商業用高分解能地球観測衛星です。可視・近赤外の4バンドとパンクロマティックバンドの光学センサを搭載し、世界中どこでも最高82cmの地上分解能で撮影することができます。

地球観測衛星「Terra」
大気、陸域、海洋を観測するために、1999年12月に打ち上げられました。地球観測システム計画の衛星のひとつで、日本が開発した資源探査用センサASTERなどを搭載しています。10年にわたり陸地、大気、海洋などの観測を続け、森林や植生の変化、太陽光エネルギーの季節変化などをとらええ、成果をあげています。

光学センサMODISなど同じセンサを搭載しているTerraとAquaは、観測時間が大幅に異なっているため、この2つの衛星の観測データを組み合わせることで、積雪や海洋の色の変化など、日々の変化を綿密に観測することができます。

海洋観測衛星「Jason」
CNESとの共同ミッションで、2001年12月に「Jason-1」が打ち上げられました。海洋の循環と気候変動を観測しています。地球観測システムの衛星計画のひとつです。2008年に打ち上げられた「Jason-2」には、JAXAの放射線環境計測装置が搭載されています。

地球観測衛星「Aqua」
地球環境システムのメカニズムの解明を目的に、2002年5月に打ち上げられました。ラテン語で水を意味する「Aqua」という名前が示すように、水循環に関わる地球全体のデータを収集しています。地球観測システムの衛星計画のひとつです。AIRS、NASDA(現JAXA)が開発したAMSR-E(改良型高性能マイクロ波放射計)、AMSU、CERES、HSB、MODISの6つのセンサを搭載し、観測データは地球規模の海面温度マップなどに活用されています。

欧州

地球環境の変動や安全保障への監視を目的とした地球観測衛星のデータ利用機関として、「全地球的環境・安全保障監視システム(GMES)」を、欧州連合(EU)とESA、欧州気象衛星機構(EUMETSAT)が連携して運営しています。

また、ESAはフランスが開発した「SPOT」シリーズなどの画像を、商業的に販売する事業に早くから取り組んでいます。衛星データの利用の拡大と商業化を目指して、宇宙開発機関と民間企業が連携して衛星開発が行われています。

主な衛星は、陸域や海洋、資源を探査するESAの「Envisat」、「ERS(欧州リモートセンシング衛星)」シリーズ、気象を観測するEUMETSATの「Meteosat」「MetOp」などがあります。

リモートセンシング衛星「ERS」
海洋、海氷分布、海上風、海洋循環等の観測を主に、陸域情報も高分解能レーダで観測する衛星で、1991年に「ERS-1」が打ち上げられました。観測機器として、合成開口レーダ(AMI)、測風散乱計(SCAT)、レーダ高度計(RA)、走査放射計及びマイクロ波サウンダ(ATSR-M)、レーザ反射鏡(LRR)、精密測距装置(PRARE)が搭載されています。

環境監視衛星「ENVISAT」
地球環境と気候変動を監視するための衛星で、2002年3月に打ち上げられました。ESAの「ERS」の後継機で、大気、海洋海氷分布、陸域を観測します。ASAR(合成開口レーダ)、MERIS、MIPAS、GOMOSなどのセンサが搭載されています。

フランス

陸域を観測する「SPOT」シリーズを打ち上げています。また、NASAとの共同ミッションの「Jason」シリーズを進めています。

SPOT
フランスの地球観測衛星で、1986年に「SPOT-1」、1990年に「SPOT-2」、1993年に「SPOT-3」、1998年に「SPOT-4」が打ち上げられました。「SPOT」は、衛星の直下を観測するだけでなく、センサの向きを変えることにより、斜め観測をすることができます。これにより、これまでの衛星ではできなかった特定地域の繰り返し観測の周期を短縮することができます。
観測データはEUの安全保障や農業政策策定、地図作製、地球環境・植生などの調査に利用されているほか、商業用に提供されています。

ドイツ

陸域や環境を観測する「TerraSAR」、偵察衛星「SAR-Lupe」、陸域を観測する「RapidEye」などを打ち上げています。

イタリア

海洋を観測する「Cosmo-SkyMed」などを打ち上げています。

ロシア

陸域を観測する「ReSurs」シリーズ、気象衛星の「Meteor」シリーズ・「METERO」シリーズ、偵察衛星「Kosmos」、海洋を観測「Okean」などを打ち上げています。

ReSurs
ロシアの地球観測衛星です。1997年に打ち上げられた「ReSurs-1」は、高分解能光学センサを搭載していました。天然資源の探査を目的に1993年に打ち上げられた「ReSurs-F3」は、2mの解像度、30km×30kmの観測域のパンクロマティックカメラを搭載し、7万-9万分の1のスケールの画像として利用できます。

中国

ブラジルと共同開発した資源開発衛星「CBERS」シリーズなどのほか、資源探査を行う「資源」、海洋を観測する「海洋」、陸域を観測する「環境」、情報収集衛星「遺憾」、気象衛星「風雲」などを打ち上げています。

インド

旧ソ連(現ロシア)の協力を得て、地球観測衛星を開発に力を入れてきました。地球観測衛星を使った商業利用にも取り組み、「IRS(インドリモートセンシング衛星)」シリーズを打ち上げています。陸域や立体地図作成のデータを収集する「Cartosat」や海洋を観測する「Oceansat」、資源探査衛星「Resourcesat」、偵察衛星「RISAT」、気象衛星「METSAT/カルパナ」などを打ち上げています。

IRS
商業衛星で、1988年3月に「IRS-1」が打ち上げられました。シリーズ化され、2003年10月にはIRS-P6(Resourcesat-1)が打ち上げられ、地球観測のデータを計測的に提供してきました。可視2バンド、近赤外1バンド、中間赤外1バンド、パンクロマティックでの観測ができるセンサを搭載しています。

イスラエル

民間企業が地球資源衛星「EROS」シリーズをロシアのロケットで打ち上げ、取得画像の商業販売を行っています。

カナダ

RADARSAT
「RADARSAT」シリーズは、カナダが開発した商用地球観測衛星で、「RADARSAT-1」は1995年11月に打ち上げられました。合成開口レーダ(SAR)を搭載しています。「RADARSAT-2」は、2007年に打ち上げられました。

世界の主な地球観測衛星

日本アメリカフランスESAカナダインド
1995ERS-2RADARSAT-1IRS-1C
1996ADEOSIRS-P3
1997TRMMIRS-1D
Orbview/SeaWiFS
1998NOAA-15
1999LANDSAT-7
QuikSCAT
Terra
ACRIMSAT
IKONOS
2000NOAA-16
2001Jason-1
2002ADEOS-IINOAA-MENVISAT
AQUA
2003ICESat
SCORCE
2004Aura
2005NOAA-N
2006ALOSIRS-P6
2007RADARSAT-2
2008OSTM
2009GOSATGOCE
SMOS
2010GLORYCryoSat-2