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巨大望遠鏡

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天体望遠鏡に使われる望遠鏡の種類となりたち

天体望遠鏡には、屈折(くっせつ)望遠鏡と反射望遠鏡があります。屈折望遠鏡は、対物レンズが天体の光を集め、接眼レンズがその実像を大きく見せるしくみです。反射望遠鏡は、レンズの代わりに凹面鏡を使って光を集め、接眼レンズにみちびくしくみです。反射望遠鏡は、鏡をつくるのがレンズよりやさしいため、大型の望遠鏡などによく使われています。

大きな望遠鏡を使うことで知らなかった星々が見えてくる

大きな望遠鏡で宇宙を観測することは、2つの点ですぐれています。1つは、大きな鏡やレンズで天体からの光をたくさん集めることができるので、より暗い天体まで観測することができる、ということです。望遠鏡が進化するにつれてより遠くの暗い天体を観測できるようになり、私たちが知っている宇宙の姿は大きく変化してきました。もう1つの点は、天体をより細かいところまで観測することができる、ということです。ものをどれだけ細かいところまで見ることができるかという性能を、分解能あるいは解像力と呼びます。小さな望遠鏡ではぼんやりとしか見えなかった天体も、分解能の高い大きな望遠鏡を使うことでよりはっきりと見ることができます。

しかし、非常に大きな鏡やレンズを作ることはとても難しい作業です。大きな鏡の表面を光の波長に比べてなめらかにみがくのは難しく、望遠鏡がいろいろな方向を向くとゆがんでしまうこともあります。これを克服するため、薄く大きな鏡を作ってコンピュータ制御でゆがみをなくしたり、小さな鏡をたくさん貼りあわせて1枚の大きな鏡を作るといった工夫が行われています。

すばる望遠鏡(国立天文台提供)
すばる望遠鏡(国立天文台提供)

可視光線や赤外線を観測することのできる望遠鏡で現在最も大きいものは、その鏡の直径が10mもあり、100億光年以上も遠方の銀河を観測することができます。日本がハワイに建設した「すばる望遠鏡」も大望遠鏡の1つで、口径は8.2mあります。

電波望遠鏡としては、プエルトリコにあるアレシボ天文台の直径305mのアンテナが世界最大です。自然のくぼ地にそって反射板を並べることで、巨大な鏡を作っています。この鏡を動かすことはできませんが、焦点部を動かして天体に向けることができます。全体を自由に動かすことができる電波望遠鏡として最も大きいのは、ドイツのエフェルスベルグ望遠鏡とアメリカのグリーンバンク望遠鏡で、100mの主鏡を持っています。

より大きな望遠鏡

天文学者たちはさらに大きな望遠鏡を作る計画を持っています。現在10mが最大の可視光線・赤外線望遠鏡ですが、直径30mあるいは40mという巨大な鏡を持つ望遠鏡が、アメリカやヨーロッパ、日本の天文学者たちによって計画されています。2020年ごろに観測が始まることが期待されていますが、このような巨大な望遠鏡によってさらに宇宙の謎が明らかにされていくことでしょう。
また、電波望遠鏡の場合、複数の電波望遠鏡を用いた「干渉計型電波望遠鏡」として使用すると、電波望遠鏡の間隔を長くすることで高い解像度を得ることができます。一つの施設としてはアメリカのVLAが有名で、27台の25mアンテナを直径36kmの1台の巨大電波望遠鏡として使うことができます。また、VLBI(超長基線干渉計)では、最長の場合で地球の直径、およそ12.000km離れた電波望遠鏡どうしを使った観測を行うことができます。さらに、宇宙望遠鏡を使えばもっと間隔を離すことができ、さらに高い解像度が得られます。1997年に打ち上げられた宇宙科学研究所(現 JAXA宇宙科学研究本部)の電波観測衛星「はるか」は直径8mの電波望遠鏡で、地上の電波望遠鏡と連携して観測を行う国際計画(VSOP)において重要な役割を果たしました。VSOPは直径30,000m相当の電波望遠鏡となり、クエーサー銀河のジェットをきわめて高い解像度で観測しました。現在は、「はるか」の後継として2013年に電波観測衛星「ASTRO-G」を打ち上げ、ブラックホールの周辺や宇宙ジェットの観測を行うVSOP-2計画が進められています。

VSOPの概念イラスト。地球から衛星までの距離がアンテナの直径に相当し、高い解像度を得られます。(c)JAXA
VSOPの概念イラスト。地球から衛星までの距離がアンテナの直径に相当し、高い解像度を得られます。(c)JAXA