JAXA | 宇宙情報センター SPACE INFORMATION CENTER

メニュー

メニュー

グレイル

シェア

関連情報

分類:月・惑星探査

画像提供:NASA/JPL-Caltech
画像提供:NASA/JPL-Caltech

名称:グレイル/GRAIL(Gravity Recovery And Interior Laboratory)
小分類:月探査
開発機関・会社:アメリカ航空宇宙局NASA)、ジェット推進研究所(JPL)
運用機関・会社:アメリカ航空宇宙局NASA)、ジェット推進研究所(JPL)
打ち上げ年月日:2011年9月10日
打ち上げ国名・機関:アメリカ合衆国
打ち上げロケットデルタII
打ち上げ場所:ケープカナベラル空軍基地
運用終了年月日:2012年12月17日

グレイルは、同一仕様の2機の探査機を月周回軌道で編隊飛行させ、2機の動きの変化を精密観測することで、月の内部構造を探るミッションです。NASAディスカバリー計画のひとつです。GRAILは、Gravity Recovery And Interior Laboratoryの略であり、重力回収・内部構造研究機という意味です。また、グレイルは、聖杯という意味を持つ単語でもあります。

2機の探査機の愛称は、公募の結果、GRAIL-Aが「エブ(Ebb)」、GRAIL-Bが「フロー(Flow)」と名付けられました。エブ&フローという英語表現は、波が寄せては返す様や、潮の満ち引きなどを表す一対の語句として使われます。グレイル・ミッションでは、2機が月の上空を組になって飛び、引力による編隊のわずかなブレを測定して月の重力場を調査します。また、月の引力は地球の潮の満ち干きに影響を及ぼします。よってこの愛称は探査機のミッション内容をよく表したものと言えるでしょう。

NASAは、グレイスというミッション(2002年~)で、2機の衛星の編隊により地球の重力を精密測定しています。グレイルは、グレイスの方式を月に応用したものです。

1.どんな形をして、どんな性能を持っているの?
洗濯機ほどの大きさで質量約200kgの、2機の小型探査機により構成されます。両機はほとんど同一ですが、アンテナの取付方向などに若干の違いがあります。この2機は、編隊を組んで月を周回します。

科学観測装置としては、2機の間の距離を精密測定するための信号を送受信する、月重力レンジングシステム(Lunar Gravity Ranging System; LGRS)を搭載しています。また、副次的な観測装置として、MoonKAMと呼ばれる小型カメラが搭載されており、これは科学研究用というよりは、学校教育プログラム用として用いられます。

GRAIL-A「エブ」が撮影した月の裏側の南極付近。(画像提供:NASA/JPL-Caltech)
GRAIL-A「エブ」が撮影した月の裏側の南極付近。(画像提供:NASA/JPL-Caltech)

2.どんな目的に使用されるの?
月の地表に見えている山脈やクレーター、また地下の構造などの影響で、重力が場所によってわずかに違うと、2機の探査機の間隔が変化します。この変化を正確に捉えることで、月の重力場を精密に測定します。

重力場を調べることで、月のどの領域に重い/軽い物質があるのかがわかり、月の内部構造や形成の歴史の解明につながることが期待されます。さらに、地球のように岩石でできた固体惑星がどのようにできるのか、という謎を解明するための手掛かりにもなります。

3.宇宙でどんなことをし、今はどうなってるの?
2011年9月12日に打ち上げられ、同年末から翌2012年初にかけて月周回軌道に入りました。まず約55kmの高度で飛行しながら重力場を測定した後、2012年8月からの延長ミッションでは高度を23kmに下げて、クレーターや山脈などの地形が生む細かな重力場を観測しました。12月17日に運用を終了しています。

4.打ち上げ・飛行の順序はどうなってるの?
2011年9月12日に打ち上げられた後、GRAIL-Aが同年12月31日に、GRAIL-Bが翌2012年1月1日にそれぞれ月周回軌道に乗りました。その後、両機にはそれぞれ「エブ」、「フロー」という愛称が与えられました。
2012年12月17日に月面への制御落下により運用を終了しています。