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重力波

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アインシュタインが予言した重力波

電磁波以外で宇宙を調べる手段の1つとして考えられているのが、重力波です。重力波は、アルバート・アインシュタインが1916年に提唱した一般相対性理論をもとに予言したもので、空間のゆがみが波のように伝わる現象です。重力波は、ブラックホールや中性子星などたいへん重い天体どうしが高速でお互いのまわりをまわっていたり合体したりするときなどに発生すると考えられています。

重力波の存在が間接的に確認される

理論的には存在が予言された重力波ですが、実際に重力波が存在することも確認されました。規則的に強力な電波を放射するパルサーという天体がありますが、アメリカの天文学者ジョゼフ・テイラーとラッセル・ハルスは、2つのパルサーがお互いの周りをまわりあっている連星パルサーという天体から出てくる電波を精密に観測しました。その観測から、この連星パルサーの持つエネルギーがわずかずつ減って軌道が変化していることが明らかになりました。理論的に予想されていた重力波によってエネルギーが外に持ち出されていると考えると、この観測結果をうまく説明することができます。彼らの観測結果は重力波を直接観測したものではありませんが、その存在を証明したものと考えられています。この発見により、二人は1993年にノーベル物理学賞を受賞しました。

重力波をキャッチせよ

現在、重力波を検出しようとする試みが世界中で行われています。重力波は空間のゆがみが伝わってくる現象ですので、一般的な望遠鏡を使っても観測することはできません。そこで、レーザー干渉計を利用した重力波検出装置が作られています。この装置では真空にしたパイプの両端に鏡を取り付けてその中にレーザー光を飛ばし、そのパイプの長さを精密に測り続けます。もし重力波がやってきた場合には空間がゆがむので、そのパイプの長さもごくわずかですが変化します。この非常に小さな変化をキャッチすれば、重力波を検出したことになります。この原理を使った重力波観測装置が開発され、現在も実験が続けられています。日本では東京都三鷹市の国立天文台の敷地内に「TAMA300」という重力波観測装置(長さ300m)があり、そのほかアメリカのLIGO(長さ4km)やフランスとイタリアのVIRGO(長さ3km)などでも実験が行われています。実際に重力波を観測するには地面の揺れを抑えたり装置の微妙な調整を行ったりするとても高度な技術が必要で、まだ実際に重力波を観測することはできていません。距離をかせぎ振動を抑えて高い真空を得るために宇宙望遠鏡で重力波を検出しようとする試みもあり、NASAESAでは共同開発でLISA計画が、日本ではDECIGO(デサイゴ)計画が進められています。重力波を観測することができれば、電磁波による他の観測と合わせて、ブラックホールや中性子星といった天体や超新星爆発などの現象についてさらに新たな知見が得られることでしょう。