JAXA | 宇宙情報センター SPACE INFORMATION CENTER

メニュー

メニュー

はやぶさ

シェア

関連情報

分類:惑星探査


名称:小惑星探査機「はやぶさ」(MUSES-C)
小分類:彗星・小惑星探査
開発機関・会社:宇宙科学研究所(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
運用機関・会社:宇宙航空研究開発機構(JAXA)
打ち上げ国名・機関:日本/宇宙科学研究所(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
打ち上げ年月日:2003年5月9日
運用終了年月日:2010年6月13日
打ち上げロケットM-V
打ち上げ場所:鹿児島宇宙空間観測所(KSC)

「はやぶさ」は、小惑星イトカワに対するサンプルリターン(試料を採集し、それを地球に届ける)ミッションを成功させた小惑星探査機です。イオンエンジンや、自律制御能力など、数々の野心的な技術を実験し、実証することがその目的でした。

その旅路は、小惑星イトカワに向かう往路は順調なものでしたが、イトカワへの着陸後から大きなトラブルが生じ、地球へ帰還する帰路は苦難に満ちたものとなりました。しかし、設計上の工夫と、運行上の工夫により多くの困難を乗り越え、史上初の小惑星サンプルリターン・ミッションを見事成功させました。

1.どんな形をして、どんな性能を持っているの?
本体は、1.0m×1.1m×1.6mの直方体であり、質量は約500kg。太陽電池パドルの端から端までは約6m。メインエンジンとして先進的なイオンエンジンを4基搭載し、惑星間を高速で航行することができます。観測装置として、レーザー高度計、近赤外線分光器、蛍光X線スペクトロメータ、および3台のカメラを搭載しています。レーザー高度計およびカメラから得られる情報を頼りに、小惑星に対し自律的に軟着陸と離陸を行う能力を持ちます。その際に、サンプラーホーンと呼ばれる機器で小惑星からサンプル(試料)を採集。最終的には、採集した試料を収めたカプセルを地球に送り届けることを目指します。

地球から離れた小惑星を探査する場合、探査機と地球との間の情報伝達にはある程度の時間を要します。そのため、小惑星への軟着陸を目指す場合、探査機から送られてくるデータをモニターしながら地球側から随時司令を送って探査機を制御するという方式は、情報伝達が遅過ぎて実用にはなりません。よって、探査機が自らの判断で、着陸の際の制御を行う能力を備える必要があります。このように、自らの判断で自らを制御する能力のことを、自律制御能力と呼びます。

約600gの小型ローバ「ミネルバ」も搭載されていました。このミネルバは、「はやぶさ」から切り離されてイトカワに着陸した後、その表面を跳ねまわって移動することができる小型探査機でした。

2.どんな目的に使用されたの?
小惑星イトカワに対するサンプルリターン・ミッションに挑みました。このミッションを通じて、小惑星に対するサンプルリターン技術を実証することが、本機の目的でした。

小惑星イトカワは、日本のロケット開発の父である故糸川英夫博士にちなんで名付けられました。地球および火星の軌道を横切るような軌道を持つ地球近傍小惑星であり、大きさは約500mほどです。小惑星は、太陽系初期に形成され、現在も形成当初の姿や組成を比較的よく留めている天体であると考えられています。この小惑星を詳しく調べることにより、太陽系初期の状態について重要な手掛かりを得ることができると期待されています。

3. 宇宙でどんなことをし、今はどうなってるの?
小惑星イトカワとランデブーし、その至近距離を周回しつつ、その形状や組成についての詳細なデータを観測しました。

小型ローバ「ミネルバ」については、切り離しには成功したものの、それをイトカワの表面に着陸させることについては失敗に終わりました。

次いで、軟着陸と離陸により、イトカワの表面よりサンプルを回収することを試みました。

最終的には、採集した試料を収めたカプセルを地球に送り届けることに成功。「はやぶさ」本体は、その際に地球大気圏に再突入し、燃え尽きました。

カプセルの内容物を分析した結果、イトカワ由来の試料が収められていたことが確認されています。人類が月以外の天体から試料を直接回収したのは、世界初の快挙です。

4. 打ち上げ・飛行の順序はどうなってるの?
「はやぶさ」は、2003年5月9日にM-Vロケットにより打ち上げられました。翌2004年5月、地球スイングバイによる加速と軌道変更により、小惑星イトカワへと向かう軌道に乗り、2005年9月、イトカワとのランデブーに成功。以後、至近距離からその観測を続けました。

そして2005年11月20日、1回目の軟着陸に挑戦し、着陸と離陸に成功しました。ですが、この際には何らかの障害物が検知されたために予定通りの作業が行えていませんでした。そこで11月26日に2回目の軟着陸に挑戦、この際は予定通り1秒間の接地の後、離陸することに成功しました。

しかし、離陸後に異常が生じて姿勢が大きく乱れ、一時的に通信途絶に至りました。その後通信は回復したものの、12月8日に再度姿勢が乱れ、再度通信が途絶してしまいました。

2006年1月23日、なんとか通信が復旧したものの、「はやぶさ」が大きなトラブルを抱えていることが徐々に明らかになりました。しかし、様々なトラブルを乗り越え、2007年2月にイオンエンジンの再点火に成功、4月25日より地球帰還へ向けての巡航運転を開始しました。2009年11月4日には、イオンエンジンが全て停止するというトラブルが生じたものの、2基のエンジンを組み合わせて1基のエンジンとして運転することが設計上可能であったために、それにより推進力を再度確保することに成功しました。

そして2010年6月13日、地球への帰還を達成。サンプルが収納された耐熱カプセルが、オーストラリアの砂漠で無事回収されました。「はやぶさ」本体は、カプセルに続いて地球大気圏に再突入した際、燃え尽きました。

回収されたカプセルの分析を進めた結果、同年11月、カプセル内にあった微粒子がイトカワ由来のものであると判明しています。