JAXA | 宇宙情報センター SPACE INFORMATION CENTER

メニュー

メニュー

インフレーション

シェア

関連情報

急激な膨張から始まる宇宙

宇宙誕生直後、10のマイナス37乗秒後からマイナス35乗秒後の頃に、宇宙が指数関数的に膨張したとする説をインフレーション理論と呼びます。このごくわずかな間に、宇宙は一気に10の43乗倍の大きさに広がったとする説です。

あとでのべるビッグバン宇宙論は宇宙がどのような始まりだったのかを説明できる優れた理論でしたが、いくつかの問題点を抱えていました。例えば、宇宙の曲率が0に近く平坦であること(平坦性問題)、お互いに情報のやりとりがない十分に離れた領域でもその性質が一様に見えること(地平線問題)、磁気単極子と呼ばれる単独で存在するN極あるいはS極の性質を持った粒子が発見されないこと(モノポール問題)が、ビッグバン宇宙論だけでは説明が付かなかったのです。この問題を上手に回避し、観測される宇宙の構造を説明したのが、佐藤勝彦とアメリカのアラン・グースが1981年のほぼ同時期に提唱したインフレーション理論です。インフレーション理論では、急激な膨張が空間を引き延ばして曲率を0近くにし、もともと近くにあったものがはるか遠くに引き離されたために宇宙が一様であり、膨張前には豊富に存在していた磁気単極子も急激な膨張によって密度が低下したために観測されないと説明できるのです。