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銀河間空間

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非常に希薄な銀河間空間

私たちの周りには空気があります。空気の密度は、およそ1cm³あたり分子が1,000京(けい)個(1京は1億の1億倍)です。地球の大気圏外には空気はないと言われますが、およそ1cm³あたり原子数個と、地球大気に比べたら非常に薄いものの、ガスが存在しています。これは大気圏の外、銀河系の内側のガス密度で、このガスのことを「星間物質」と呼びます。一方、銀河銀河の間にも、星間物質よりもさらに密度が低いものの、ガスはあります。その密度は、およそ1cm³あたり原子が0.00001個(1m³あたり10個)程度で、もはやガスと呼ぶには希薄すぎます。この希薄な物質「銀河間物質」のある、銀河銀河の間に広がる広大な空間のことを「銀河間空間」といいます。

宇宙にある物質の約半分は銀河間空間にある

それでは、地球大気、星間物質、銀河間物質のどれが、宇宙全体の総量として最も多くの物質を含んでいるでしょうか?これまでの天文学者たちの研究から、宇宙にある水素やヘリウムなどの通常の(ダークマターではない)物質の約半分は、銀河間空間にあることが分かってきました。銀河間空間には、非常に希薄な銀河間物質が広がるだけですが、宇宙には広大な銀河間空間が広がっており、全体で考えると物質の約半分は銀河間空間にある、ということになるのです。

銀河間物質は電離した高温ガス

この銀河間物質として存在するガスは、既に1970年代からX線による観測で明らかにされています。その結果から、銀河間物質の温度が1万度以上ということが分かりました。宇宙にある約半分のガスは、1万度以上もの高温になっていたのです。これほどの高温だと、水素原子は電離してプラズマ状態になります。現在の宇宙では、ほとんどのガスは電離状態にあるのです。宇宙は絶対温度約3度(摂氏マイナス270度)と非常に冷たいのに、不思議ですね。

電離した銀河間物質と宇宙の再電離

この不思議は、まだはっきりとは解明されていないのが現状です。宇宙がビッグバンから始まった当初、高温の電離状態にあったガスは宇宙の晴れ上がりの際に一度冷えて中性状態になりましたが、現在までのどこかで再び熱い電離状態になったことになります。「宇宙の再電離」と呼ばれている現象ですが、いつ、何が、どのように、に関する詳しい事は、まだ謎のままです。宇宙誕生後間もない時期に明るく輝くライマンα輝線天体やガンマ線バーストの観測を通して、この「宇宙の再電離」の謎を解き明かそうとする試みが進められています。

まだ観測されていない大部分の銀河間物質

電離状態にあることが確認されている銀河間物質ですが、その観測手法は、遠方にあるクエーサーなどの明るい天体を背景光源として、クエーサーよりも手前にある銀河間物質による光の吸収の度合いを調べる、というものでした。つまり、銀河間物質からの光を直接捉えたわけではないのです。この電離状態にある、10万度~1000万度もの高温な銀河間物質からの光を直接観測しようという試みも、現在進められています。