分類:人工衛星
名称:イリジウム89号(Iridium 89)
小分類:通信放送衛星
開発機関/会社:ロッキード・マーチン社
運用機関/会社:イリジウム社(モトローラ社他が出資)
打ち上げ年月日:1998年12月19日
打ち上げ国名/機関:アメリカ/イリジウム社
打ち上げロケット:長征2C
打ち上げ場所:太原宇宙センター
イリジウムの衛星群は、1990年6月に米モトローラ社が発表した「イリジウム」計画に基づいて打ち上げられました。この計画は、衛星を使った全世界的な衛星携帯電話のネットワークを作るもので、1器の携帯電話で世界中どこからでも電話を掛けることができるようになります。当初77機の衛星を打ち上げる予定だったことから、元素番号77の物質「イリジウム」にちなんで名前が付きましたが、その後打ち上げる衛星の数は66個に修正されました。イリジウム衛星は、1997年5月から1998年5月までの1年間で15回の発射を行い、合計66機が打ち上げられています。また、1998年11月からは試験サービスがスタートしました。
イリジウム89号は、第19回目に打ち上げられた2個の衛星1つで、イリジウム衛星群のバックアップ衛星の役割を果たします。
1.どんな形をして、どんな性能を持っているの?
本体の大きさは幅1m×高さ2mで、打ち上げ時の重量は約689kgです。姿勢制御方式は3軸姿勢制御方式で、設計寿命は約2年です。1機で3,840回線の電話中継能力があり、データ通信は1秒間に2,400ビットの伝送能力を持っています。
2.どんな目的に使用されるの?
人工衛星を使った全世界的な衛星携帯電話サービスの中継ネットワークに使われます。このネットワークは、地球の南北を結ぶ6つの軌道上にそれぞれ11機の衛星を打ち上げ、携帯電話からの通信電波をリレー方式で相手先まで送り届けるものです。衛星同士で通信の中継を行うので、中継所が作れないような場所でも、携帯電話で通話ができます。
イリジウム衛星でカバーできるエリアは、1機で直径約4,400kmの範囲です。
3.宇宙でどんなことをし、今はどうなっているの?
発射後、数機の衛星が軌道上で射出され、同一軌道を均等間隔で巡回するように配置されます。配置後は数ヶ月間通信試験を行い、1998年11月1日からは66機の衛星を使ってネットワークの試験サービスを開始しています。
4.このほかに、同じシリーズでどんな機種があるの?
イリジウム衛星群は、1997年5月5日に最初の5機が打ち上げられたのを初めとして、1999年6月11日の第20回目の打ち上げまでに88機が打ち上げられています。
5.どのように地球を回るの?
高度約780km、公転周期約100分(地球を約100分で1周します)、軌道傾斜約86.4度の低い極軌道を周回します。南北の極地を通過する軌道なので、赤道上空を通る静止衛星軌道に乗る衛星ではカバーできない高緯度の場所でも通信中継ができ、電波の遅れも少ないのがメリットです。
