JAXA | 宇宙情報センター SPACE INFORMATION CENTER

メニュー

メニュー

地球生命

シェア

関連情報

1000万種以上もの生命が生きる星、地球

現在、地球上に生活する生物種の数は、少なく見積もっても数100万種、多い方では、1億種という推定もあります。地球は多様な生命に満ちあふれています。降りそそぐ太陽光線と地中深くの地熱は、生命活動の基礎となるエネルギーを供給し続けています。地球太陽との距離は、生命にとって不可欠な液体の水の存在を可能にする温度環境を与えています。植物は、太陽の光エネルギーと大気中の二酸化炭素、そして水を使って、生物の栄養分となる有機物と酸素を作り出し、酸素呼吸は、生物の活発な活動を支えています。地球の重力は、液体の水や大気を地表につなぎ止め、大気中の二酸化炭素は、地球の気温の変化を穏やかにし、オゾン層は紫外線から生物の遺伝子を守っています。地磁気は、生物に有害な宇宙放射線をある程度妨げるバリアとなっています。地球は生命が生存するために適した環境をもつ惑星なのです。

ナゾにつつまれたままの生命誕生の過程

約46億年前、地球が誕生してまもないころの地表面は熱いマグマに覆われていました。それから地球はゆっくりと冷えはじめ、表面が固まって岩石の地殻ができ、大気中の水蒸気が雨となって降り出しました。この雨は豪雨となって降り続け、地球に海が生まれました。このころの大気は、二酸化炭素がほとんどで、他に、一酸化炭素、窒素、水蒸気などが含まれていました。海の中で、生命のもととなる物質が集まり、放射線や紫外線のエネルギー、火山などの熱エネルギー、雷による放電のエネルギーなどによって、さまざまな物質が作られました。この中にタンパク質の構成成分であるアミノ酸や、核酸構成成分であるヌクレオチドなどが含まれていたと考えられています。また、アミノ酸などは、地球に衝突した隕石からもたらされることもあったと考えられます。このようなアミノ酸やヌクレオチドが複雑な生体分子となり、約38億年前、「最初の生命」と言われるものが誕生したと考えられています。しかし、生命誕生の過程は、まだまだはっきりとはされていません。

シアノバクテリアが地球の酸素をつくりだした

最初の生命は、生物に有害な紫外線の届かないような海の底で生きていたと考えられます。海底の熱水噴出口から出る硫化水素を、地熱のエネルギーを使って分解して、生命活動のエネルギーを作り出していたバクテリアであると考えられています。バクテリアは、まだ核を持たない簡単な細胞(原核細胞)です。このようなバクテリアに類似するものは、現在でも海底深くの熱水噴出口付近に生息していることがわかっています。世界最古の化石として発見された、シアノバクテリアが、登場してきたのは、35億年頃のことと推定されます。シアノバクテリアは、太陽の光エネルギーを使って光合成を行うことのできる生物でした。大気中に含まれる二酸化炭素と水を使って、有機物を作りだし、その際に同時に酸素を発生しました。シアノバクテリアはさらに10億年ほどの間に爆発的に繁栄し、地球の大気には酸素がたくさん蓄積されていきました。このようにして、酸素呼吸をする生物の生存を可能にする地球の環境が整っていったのです。

進化し続ける地球上の生命

地球誕生から10億年をかけて海中で誕生した生命は、さらにより長い年月をかけて進化を続け、さまざまな種類の生物を生み出しました。
20億年ほど前には、核膜でしきられた核を持ち、酸素呼吸を行う新しい細胞(真核細胞)が生まれました。生命は、単細胞生物として誕生しましたが、酸素呼吸を獲得して、生命活動に利用できるエネルギーをどんどん増やしていくことができるようになって、細胞は大型化し、さらには、いくつかの細胞からなる多細胞の生物が生まれました。約10億年前頃のことです。
それから数億年経った、約5億3千万年前のカンブリア紀の海に、多種多様な形の動物達が爆発的に出現しました(カンブリア紀の大爆発)。このときに現れたたくさんの形は、「進化の実験室」として、生物のさまざまなデザインが試された結果であったと考えられ、現在の生物の形につながる基本的なデザインが、この時代にほぼすべて出そろっています。
今から4億年ほど前には、生物による光合成で増え続けた酸素は、大気の上訴部でオゾン層を形成するようになりました。オゾン層は紫外線を吸収するため、これによって、生物が海中深いところでなくても、安全に生活する環境が整ったことになります。約5億年から4億年前までの間に、陸上にまず植物が上陸し、その生息範囲をどんどん広げて行きました。その頃、動物は海から河へ進出し、背骨を持った魚、肺を持った魚が登場してきました。3億6千万年前には、4本の足を持って初めて陸上に上がった動物イクチオステガが現れました。昆虫などの節足動物や両生類が陸に上がって行きました。様々な爬虫類が登場する中、2億3千万年前頃には、最初の恐竜が誕生し、それから長い繁栄の時が過ぎました。今から6千5百万年前、恐竜は突然その姿を消してしまいます。この理由については、正確なところはわかっていませんが、地球に巨大な隕石が衝突したのが原因ではないかという説が有力です。巨大隕石の衝突によって生じた大量の粉塵が地球全体を覆い、地表に太陽光線の届かない長い冬が訪れました。この中で、私たちの祖先のほ乳類や昆虫は行き残り、粉塵が地上に落ちて、地球が再び太陽の照らす惑星になったとき、その繁栄が始まりました。最古の鳥、始祖鳥が誕生したのは1億5千万年前のことでしたが、どのような過程で現在のような鳥となったのかはまだわかっていません。

地球は、生命発生の条件をみたす太陽系ただ1つの星なのか?

このように、地球上ではたくさんの生物が誕生し、繁栄してきました。惑星に生命が発生するためには、さまざまな条件が必要です。もっとも基本的な条件としては、2つあります。それは、太陽光や地熱などのエネルギー源が存在すること、そして、もう一つは、なによりなくてはならないもの、液体の水の存在です。地球上の生物の体がほとんど水でできていることからも、水は生命に必要不可欠であることがわかります。液体の水は、いろいろな化学反応の起こる場としてとても重要なのです。液体の水が惑星上に存在するためには、惑星の大きさと太陽からの距離が適当で、重力や地表温度が液体の水の存在を可能にする程度でなければなりません。とくに、液体の水が存在できる領域を、ハビタル・ゾーン(生命生存領域)と呼び、星から惑星までの距離で表されます。
惑星で生まれた生命が、さらに進化して行くためには、穏やかな気候、大気や磁場の存在が必要となってくるでしょう。
地球はこれらの条件を満たし、さらに生命をはぐくむ環境をもった星だったのです。それでは、太陽系の中には、地球以外にはこのような条件を満たす星がないのでしょうか? 現在ところ、太陽系の中で、生命の生まれる(あるいは生まれた)可能性のある星として、火星木星の衛星エウロパ土星の衛星のエンケラドスとタイタンなどがあげられています。火星では、北極、南極の両方の極冠に水の氷の存在が確認されていると同時に、さまざまな場所で水の流れたような跡が見つかっています。これは、火星には過去に多量の水が存在していたこと、現在も火星の地殻が水(氷)を貯えている可能性があることを示す証拠であると考えられています。今後、過去の生命体、現在の生命体を探る生命探査が盛んに行われることでしょう。エウロパは、地表面が氷で覆われていますが、その下には、100kmほどにもなる厚みの液体の海の層があるらしいこと、木星の潮汐力による衛星内部の撹乱で生じた熱エネルギーが存在するらしいことがわかっています。土星探査機「カッシーニ」による撮影から、エンケラドスの表面には液体の水が存在し、それが間欠泉のように吹き出していると発表されました。「カッシーニ」から切り離された小型探査機「ホイヘンス」は、土星の衛星タイタンに着陸し、さまざまな映像を送ってきました。タイタンには、液体のメタンがあり、メタンの川、海(湖)などがあること、メタンの雨が降っていること、そして、火山活動を示すデータが示されています。液体のメタンの下には氷があり、火山活動を引き起こすものは、水の氷やアンモニアではないかと考えられています。

生命とはなにか

地球外の生命体を考えるときに、まず、考えなくてはいけないのは、生命の定義です。現在のところ、私たちは、地球生命しか知りません。また、その地球生命についても先に定義があったわけではなく、いろいろな生命を観察し、調査した後に、生命とはこんなものであるという共通の特徴にたどり着くことができるわけです。
そのため、生命の定義は、一つではなく、いろいろな表現のしかたがあります。比較的多くの生物学者が考えている生命の定義は以下のようなものです。
1.外界と隔てる境界をもつ。
2.外界から取り込んだもので生命活動に必要なものを作り、いらないものを外界に排出し、自分を成長させて、維持していける。
3.自分と同じようなものをつくることができる。
今後、地球外の生命体を発見したときに、この生命の定義が、地球以外でも通用するより普遍的なものとなるのか否か、現在のところはまったくわかりません。