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ルナ・リコネサンス・オービタ

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関連情報

分類:月・惑星探査

(画像提供:NASA)
(画像提供:NASA)

名称:ルナ・リコネサンス・オービタLRO(Lunar Reconnaissance Orbiter)/LCROSS(Lunar CRater Observation and Sensing Satellite)
小分類:月探査
開発機関・会社:アメリカ航空宇宙局(NASA)
運用機関・会社:アメリカ航空宇宙局(NASA)
打ち上げ年月日:2009年7月18日
LROの運用予定期間:最低1年間
LCROSSの運用終了年月日:2009年10月9日に月面への衝突実験に成功し、運用終了
打ち上げ国名・機関:アメリカ合衆国
打ち上げロケット:デルタV
打ち上げ場所:ケープカナベラル空軍基地

アメリカ合衆国は2004年、月そして火星への有人ミッションを目指す新宇宙政策を発表しました。そして、月への有人ミッションの着陸地点を選定するための探査を行なう月周回探査衛星が、このルナ・リコネサンス・オービタ(Lunar Reconnaissance Orbiter; LRO)です。高度50kmという低高度の極周回軌道から月面を観測し、分解能は50cmを誇ります。

アメリカ合衆国の新宇宙政策では、月面基地の建設を含む、月面上での長期にわたる有人活動を目指しています。その上では、月面に存在する利用可能な資源、特に水の発見が重要です。月面の極付近には、クレーターの内部に太陽光が当たらない永久影領域があり、ここに水の氷が存在している可能性が考えられていました。そこで、この極付近のクレーターに衝突体を衝突させ、それにより生じる噴出物の組成を調べ、水の氷の存在を探るミッションがLCROSSです。LCROSSは、Lunar CRater Observation and Sensing Satelliteの略で、月面クレーター観測センシング衛星という意味です。

LROとLCROSSは、2009年7月18日にアトラスVロケットによりケープカナベラル空軍基地から打ち上げられました。LROは2010年1月現在、運用が続けられています。LCROSSは、2009年10月9日に月面への衝突実験に成功し、運用を終えました。この衝突実験により、月面に水の氷が存在することが確認されました。

1.どんな形をして、どんな性能を持っているの?
LROは、ロケットのフェアリング内部に収納された状態での高さが約3.9m、幅2.6m、奥行き約2.7m。本体は直方体状の形状です。打ち上げ時質量が約1,900kg、うち約900kgが燃料の質量で、それを除く衛星の質量は約1,000kgです。観測装置として、以下の装置を持ちます。
・0.5mの分解能を誇るカメラLROC
・月面の地形の起伏を調べるレーザー高度計LOLA
・月面の上層1m内の水素分布を調べ、水の氷の存在可能性を探る中性子検出装置LEND
・月面の温度変化を調べるDLRE
・極付近の永久影領域を含む月面全体の組成を調べる分光器LAMP
・月面の放射環境を調べ、その有人活動への影響を探る宇宙線望遠鏡CRaTER
・永久影領域をレーダー撮像可能なMini-RF

LCROSSは、衛星本体は、長さ約2m、直径約2.6mの6角柱状の形状をしています。打ち上げ時質量は約900kg、うち約300kgが燃料で、それを除く衛星の質量は約600kgです。そして、衝突体として利用されるセントール・ロケットアトラスVロケット用の上段ロケット)は、長さ約12.7m、直径約3.0mの円柱形で、燃料を使い果たした後の質量は約2,400kgです。LCROSSとセントール・ロケットがドッキングした状態での長さは合計で約14.5mです。

LCROSSは、月面への衝突前にセントール・ロケットを切り離し、セントール・ロケットがまず月面に突入、LCROSSはその様子を観測した後、追って月面に突入します。セントール・ロケットの突入により生じた噴出物の様子やその組成を観測するためのカメラや分光器が備えられています。

2.どんな目的に使用されたの?
LROは、将来の月面への有人ミッションに備え、月面の地形や環境を詳細に調査し、有益かつ安全な着陸地点を選定する上での情報を収集します。

LCROSS、氷の水が存在する可能性が考えられている、月の南極付近にあるクレーター内部の永久影領域へ衝突体を突入させ、それにより生じた噴出物を観測し、水の氷の存在を探ります。

3.宇宙でどんなことをし、今はどうなってるの?
LROは、2010年1月現在、月周回軌道での運用が続けられており、その高解像度のカメラにより、アポロ宇宙船の着陸地点を撮像することにも成功しました。

LROが撮影したアポロ11号の着陸地点。(画像提供:NASA/Goddard Space Flight Center/Arizona State University)
LROが撮影したアポロ11号の着陸地点。(画像提供:NASA/Goddard Space Flight Center/Arizona State University)

LCROSSは、2009年10月9日に、月の南極付近にあるカベウスクレーターの永久影領域へ、衝突体であるセントール・ロケットを突入させ、それにより生じた噴出物を観測しました。この結果、月面に水の氷があることが確認され、その分布範囲や量が豊富である可能性も示唆されました。追ってLCROSSも月面に突入し、その運用を終えました。

衝突体の衝突から20秒後の噴出物の様子。(画像提供:NASA)
衝突体の衝突から20秒後の噴出物の様子。(画像提供:NASA)

4.打ち上げ・飛行の順序はどうなってるの?
LROとLCROSSは、2009年7月18日にアトラスVロケットによりケープカナベラル空軍基地から打ち上げられました。打ち上げから間もなくLROが分離され、LROとLCROSSは別々に月を目指しました。

LROは打ち上げから約4日後に月を周回する楕円軌道に乗りました。その後の軌道調整により最終的には高度約50kmの極周回円軌道に乗り、2010年1月現在、運用が続けられています。

LCROSSは、打ち上げロケットの上段部とドッキングしたままの状態で飛行を続け、打ち上げから5日後に月へのフライバイを実施し、地球を周回する長大な楕円軌道に乗りました。そして2009年10月9日に、月の南極付近にあるカベウスクレーターへの衝突実験を行いました。衝突に先立って、LCROSSとロケットの上段部が切り離され、まずはロケットの上段部が先行して月面に突入。LCROSSは、その様子を観測した後、追って月面に突入しました。突入時の速度は、毎秒約2.5kmという高速でした。

※参照
http://lunar.gsfc.nasa.gov/
http://lcross.arc.nasa.gov/