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メッセンジャー

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関連情報

分類:月・惑星探査

画像提供:NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie Institution of Washington
画像提供:NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie Institution of Washington

名称:メッセンジャー(MESSENGER:MErcury Surface, Space ENvironment, GEochemistry and Ranging)
小分類:水星探査
開発機関・会社:アメリカ航空宇宙局(NASA)、ジョンホプキンス大学応用物理学研究所、カーネギー研究所
運用機関・会社:アメリカ航空宇宙局(NASA)、ジョンホプキンス大学応用物理学研究所、カーネギー研究所
打ち上げ国名:アメリカ
打ち上げ年月日:2004年8月3日
打ち上げロケットデルタIIロケット
打ち上げ場所:ケープカナベラル空軍基地

太陽系の中でもっとも太陽に近い惑星が水星です。水星に探査機が訪れたのは、過去1回だけです。1974年から1975年にかけ、アメリカ探査機の「マリナー10号」が3回のフライバイを行いました。その際、周回探査ではなくフライバイだったため、水星表面の半分程度の探査しかできなかったものの、水星の詳細な姿が初めて明らかにされました。

しかし、水星がどんな物質からできているかについては調べられておらず、多くの謎が残されたままになっていました。詳細に調べるためには、周回軌道に乗っての探査が必須と言えます。それ以後、探査が行われてこなかった理由は、水星太陽に近いために探査機が強烈な熱を受けてしまう、水星の公転速度が速いために探査機の接近が難しいという、技術的な困難さがあったためです。

「メッセンジャー」は、史上初めて水星に周回探査機を送り込むミッションです。NASAディスカバリー計画の一つであり、NASA、ジョンホプキンス大学応用物理学研究所およびカーネギー研究所による共同ミッションです。MESSENGERは、MErcury Surface, Space ENvironment, GEochemistry and Rangingの略であり、水星地表・宇宙環境・惑星化学および起伏測定ミッションという意味です。

今回のミッションでは、2011年3月に水星周回軌道に乗って以後、多くの成果が得られています。2013年3月現在も探査が続けられています。

1. どんな形をして、どんな性能を持っているの?
本体の大きさは約1.3m×0.7m×1.1mであり、打ち上げ時の質量は約990kg。比較的小型の探査機と言えます。水星太陽に近いため、探査機は猛烈な熱を受けます。それを克服するために、「メッセンジャー」には太陽光を遮蔽するための高さ2.5m、幅2mのシールド(盾)を装備しており、他にも様々な工夫が施されています。
「メッセンジャー」は、水星の様々な謎を解明するため、各種の探査機器を備えています。
広角と狭角の2種類のカメラを搭載し、水星の地表を撮影します。ガンマ線やX線分光計により、地表に存在する元素の割合や種類を測定します。そして、水星の磁場を調べるための磁力計も装備します。この他にも、地形の起伏を測るためのレーザー高度計や、水星周辺のプラズマ環境を調べるプラズマ分光計など、小さい探査機にもかかわらず各種の装備を搭載しています。

2.どんな目的に使用されるの?
史上初めて、水星を周回軌道から探査します。水星の表面全体をカラー撮影するほか、磁力計で磁場も調べます。地表に存在する元素の割合や種類を測定し、水星の組成、薄い大気、プラズマ環境、核の特徴などが詳しく調べられることになっています。
水星はどんな物質からできているのか、またどうやってできたかを知ることは、太陽系の成り立ちを知る上でも非常に大事なことで、このミッションがそのヒントを与えてくれるでしょう。

3.宇宙でどんなことをし、今はどうなってるの?
2011年3月に、史上初めて水星の周回軌道に乗ることに成功し、以後、様々な新しい知見が得られています。2013年3月までに水星表面の100%撮像を完了し、探査が続けられています。
これまでの発見としては、以下のようなものがあります。
水星の磁気圏では荷電粒子(電気を帯びた微小な粒子)によるバースト(爆発的な噴出)が発生しており、水星の磁気圏と太陽風との間に活発な相互作用があること。
水星の表面には予想以上のカリウムが存在しており、月や他の惑星と比較して表面の平均組成が大きく異なっていること。これは従来の予測に反するものであり、水星全体の組成は始原的な隕石と同じようなものではないかと期待されている。
水星表面にはこれまで考えられていたよりもかなり多くの量の硫黄が存在すること。
水星表面に火山性の堆積物が多く存在すること。
・北極地域には、永久影を生じるに十分な深さのクレーターがあり、その中に氷が存在し得ること。

「メッセンジャー」が撮影した、直径約100kmのクレーター。高解像度モノクロ画像と低解像度の強調カラー画像とを合成。(画像提供:Courtesy of Science/AAAS)
「メッセンジャー」が撮影した、直径約100kmのクレーター。高解像度モノクロ画像と低解像度の強調カラー画像とを合成。(画像提供:Courtesy of Science/AAAS)

4.打ち上げ・飛行の順序はどうなってるの?
2004年8月3日に打ち上げられた後、1回の地球スイングバイ、2回の金星スイングバイ、3回の水星スイングバイにより軌道修正を行い、2011年3月に水星周回軌道に乗ることに成功しました。天体の重力を利用して軌道変更を行うスイングバイの多用により、その旅路は長いものとなりましたが、燃料を節約しコストを抑えることを狙っていました。2012年2月現在、周回軌道からの観測が続けられています。