アメリカ航空宇宙局Post to TwitterFacebook Share

分類:宇宙開発機関


名称:アメリカ航空宇宙局/NASA(National Aeronautics and Space Administration)
国名:アメリカ合衆国
本部所在地:ワシントンD.C.
設立年月日:1958年10月1日

アメリカ航空宇宙局(NASA)の前身は、1915年に米国の航空技術の研究開発を推進する目的で設立された国家航空諮問委員会(NACA)です。1957年に世界初の人工衛星の打ち上げでソビエト連邦のスプートニク1号に先を越されたことにショックを受けた米国は、遅れを取り戻すため、それまで空軍・海軍・陸軍(陸軍弾道ミサイル局)でバラバラに行っていた宇宙開発事業を統合することを決め、1958年10月1日にNACAを母体としてNASAを設立。NASAは省庁間の利害を調整できるよう、大統領直属の独立組織となっており、航空、地球観測、宇宙科学、有人活動、宇宙技術の5分野を、戦略的事業としています。以後軍事を除く宇宙開発計画をこのNASAに引き継がせ、ソ連との宇宙開発競争にあたって国の威信をかけた有人宇宙飛行を推進する体制を構築しました。

NASAはソ連に先駆けて人類を月に送り込むことを目指し、1969年7月20日、アポロ11号により史上初めて月への有人着陸に成功しました。アポロ計画においては、これを含め計6回の有人月面着陸に成功しています。また、世界初の再利用可能な有人宇宙往還機であるスペースシャトルを開発し、1981年に初打ち上げに成功しました。スペースシャトルは、2010年までに、100回以上の打ち上げに成功しています。

アポロ11号により月面に降り立った人類(NASA提供)
アポロ11号により月面に降り立った人類(NASA提供)

アポロ計画が終了し、仮想敵国であったソ連が消滅した冷戦終結後は、宇宙開発に投入される予算が減らされてきました。しかしスペースシャトルの退役が近づき、中国やインドといった新興宇宙開発国が台頭する中で、有人宇宙活動を柱とする宇宙開発探査における米国のリーダシップを維持するため、2004年、米国政府は2020年を目標に月への有人ミッションを再度目指し、さらには火星への初の有人ミッションを展望する新宇宙戦略を発表。しかし2010年になってこの新宇宙戦略を打ち切り、関連する新型ロケット開発計画もキャンセルされそうな情勢です。
今後のNASAの研究の主軸としては、火星への有人探査も視野に入れた長期的な技術開発を進めることになりそうです。

NASAの主要宇宙計画は、有人活動ではマーキュリー計画ジェミニ計画アポロ計画スカイラブ計画、アポロ・ソユーズ共同飛行計画、スペースシャトル、国際共同プロジェクトである国際宇宙ステーション(ISS)があります。宇宙探査活動ではマリナー計画、サーベイヤー計画、バイキング計画、パイオニア計画、ボイジャー計画、ディスカバリー計画が進められてきており、その中でも月、火星有人探査に備えた無人ミッションが数多く計画され、実施されています。

このほかNASAでは、国防総省の宇宙司令部、商務省の海洋大気庁(NOAA)、エネルギー省、運輸省などとも協力して宇宙開発にあたっており、宇宙科学研究、地球観測、宇宙環境利用、通信などの各種プロジェクトを行っています。

年間予算は2009年度で約176億ドルであり、民事宇宙予算としては世界第1位です。

1.どのような組織になっているの?
NASAには各種プロジェクトを行う局と、管理を行う局が合わせて20あり、このうちプロジェクト担当局は、宇宙飛行局、惑星地球ミッション局、宇宙科学局、宇宙通信局、宇宙輸送技術局、ライフサイエンス・微小重力科学応用局、航空局などがあります。
宇宙飛行局の管轄下には、テキサス州ヒューストンのリンドン B.ジョンソン宇宙センター(JSC)、フロリダ州のジョン F.ケネディ宇宙センター(KSC)、アラバマ州ハンツビルのジョージ C.マーシャル宇宙飛行センター(MSFC)、ミシシッピー州のジョン C.ステニス宇宙センター(SSC)があって、スペースシャトルなど、有人宇宙活動を中心にプロジェクトを進めています。
このほか、惑星地球ミッション局の管轄下にはメリーランド州グリーンベルトのゴダード宇宙飛行センター(GSFC)、宇宙科学局の管轄下にはカリフォルニア州パサデナのジェット推進研究所(JPL)があります。
また航空局管轄下のカリフォルニア州マウンテンビューのエイムズ、バージニア州ハンプトンのラングレー、オハイオ州クリーブランドのグレンの3研究センターでは航空関連ばかりでなく、宇宙関連の研究も行われています。

ジョンソン宇宙センターミッションコントロールセンター
ジョンソン宇宙センターミッションコントロールセンター

2.地図上ではどの辺にあるの?
アメリカのワシントンD.C.に本部があります。



3.これまでに行った宇宙計画とこれから予定している計画にはどんなものがあるの?
エクスプローラ−、マーキュリー計画ジェミニ計画、レンジャー計画、サーベイヤー計画、アポロ計画、アポロ・ソユーズ計画、パイオニア計画、ボイジャー計画、バイキング計画、ハッブル宇宙望遠鏡木星探査機ガリレオ、土星探査カッシーニ、MESUR火星探査計画、近地球小惑星群ランデブー(NEAR)計画、EOS(地球観測システム)計画、スペースシャトル国際宇宙ステーション(ISS)などがあります。

4.これまでに開発したロケットで代表的なものは?
アポロ計画サターンロケットと、スペースシャトルがあります。
衛星の打ち上げはアトラス、デルタ、ペガサストーラスなど米国企業の打ち上げサービスを利用します。

5.ロケットはどこで打ち上げるの?
スペースシャトルはフロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げます。
その他のNASAの射場としてはウォロップス飛行施設があります。
米国の打ち上げサービスを行う射場としては、ケネディ宇宙センターに隣接するケープカナベラル空軍基地、アメリカ西部宇宙ミサイルセンター(バンデンバーグ空軍基地)、などがあります。

6.これまでに開発した人工衛星で代表的なものは?
世界初の通信衛星エコー、世界初の静止通信衛星シンコム、世界初の気象衛星タイロス、地球観測衛星ランドサット、静止気象衛星ゴーズ、ハッブル宇宙望遠鏡、X線天文衛星(チャンドラ)、地などがあります。

7.これまでに開発した月・惑星探査機で代表的なものは?
火星着陸探査機バイキング1号・2号(1975年~1982年)、惑星探査ボイジャー1号・2号(1977年~現在運用中)、火星着陸探査機マーズ・パスファインダー(1996年~1998年)、火星周回探査機マーズ・グローバル・サーベイヤー(1996年~2006年)、近地球小惑星群探査機NEARシューメーカー(1996年~2001年)、土星周回探査機カッシーニ(1997年~現在運用中)、小惑星彗星探査ディープ・スペース1号(1998年~2001年)、月探査ルナ・プロスペクター(1998年~1999年)、火星着陸探査機マーズ・エクスプロレーション・ローバ「スピリット」「オポチュニティ」(2003年~現在運用中)、火星探査機フェニックス(2007年~現在運用中)、月探査機LCROSS(2009年6月~10月)などがあります。

8.これまでに開発した宇宙ステーションで代表的なものは?
スカイラブ国際宇宙ステーション(ISS)があります。ISSは、米国、ロシア、欧州宇宙機関(ESA)、日本、カナダなどによる国際共同プロジェクトです。

9.予算はどれくらいなの?
年間予算は2009年度で約176億ドルであり、民事宇宙予算としては世界第1位です。