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ニンバス1号

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関連情報

分類:人工衛星
名称:ニンバス1号(Nimbus 1)
小分類:地球観測衛星
開発機関・会社:アメリカ航空宇宙局(NASA)/アメリカ気象局
運用機関・会社:アメリカ航空宇宙局(NASA)/アメリカ気象局
打ち上げ年月日:1964年8月28日
運用停止年月日:1964年9月23日(1974年5月16日、大気圏突入により消滅)
打ち上げ国名・機関:アメリカ/アメリカ航空宇宙局(NASA)
打ち上げロケット:ソー/アジェナB
打ち上げ場所:バンデンバーグ空軍基地
国際標識番号:1964052A

「ニンバス」とは、タイロス気象衛星で実験的に行われた、宇宙からの気象観測を実用レベルまで進めるためのタイロス応用システム(TOS)の別名であり、また、この計画に使われた衛星のシリーズ名でもあります。神様の後光や「乱雲」を意味するニンバスという英単語から命名されました。
ニンバス1号には、すでにタイロス8号で搭載実験が行われていたAPT(自動画像送信)システムの本格的な運用試験が行なわれました。ニンバス1号とタイロス8号以前には、地球を画像観測する衛星には、電波に乗せられる情報の量の問題から、地上が昼間の時には通常のビデオ・カメラで、夜の時には赤外線カメラ(高解像度赤外線輻射計)で撮影した画像情報を、いったん磁気テープにたくわえておいて、あとから地上へとゆっくりと送るという方式がとられていましたが、APTシステムは、この画像送信をその場で(リアル・タイムで)できるという画期的なものでした。
また、初期のタイロス計画では、カメラの向きをコントロールできなかったのに対し、ニンバス1号では、2基の水平線走査装置と太陽センサが装備されており、フロン・ガスを使った姿勢制御装置により、衛星そのものの向きを撮影に最適な向きに維持することができました。
ただし、アジェナ・ロケットの切り離しが早すぎたため、予定されていた円軌道ではなく、かなりゆがんだ楕円軌道に乗ってしまい、また、太陽電池パネルの1つに損傷がおきたため、ニンバス1号は9月23日、わずか26日間で運用を停止しました。
しかし、この短い期間に、総計27,000枚もの、タイロス・シリーズに比べればはるかにシャープな気象映像が、地上60ヵ所もの地上局へと、それもリアル・タイムで送られ、気象衛星の完全な実用化への大きな道が開かれることになりました。
ニンバス1号がケープカナベラルではなく、西海岸のバンデンバーグ空軍基地から打ち上げられたのは、南北両極を観測することができる、赤道に対する傾きがほぼ90度の極軌道に乗せるためでした。

1.どんな形をして、どんな性能を持っているの?
全体は大きく2つのセクションにわかれています。このうち、下方の円形のリングには観測のための機器が搭載され、上方の6角形の部分には姿勢制御装置と太陽電池パネルが装備されていました。
リング部の直径は145cm、全体の高さは3mで、両側に展開された太陽電池パネルの幅は3.4m、打ち上げ時の全重量は376kgありました。
3基のテレビ・カメラはどれも1インチ(3.5cm)のレンズ径で、800本の走査線のビデオ静止映像を撮影することができました。予定していた軌道に乗っていれば、この1枚の画像で、140万km2にわたる地表と大気圏をカバーすることができることになっていました。
タイロスは、リアル・タイムでも、また、いったん情報をストア(蓄積)しておいてあとから送信することもできました。さらに、装備された赤外線カメラによって、夜間でも地球大気圏の雲の状態を撮影することができました。

2.どんな目的に使用されるの?
タイロス8号に試験的に搭載されたAPTシステムの本格的な実験を行ないました。これはタイロス計画を次の段階、実用化へとおしすすめるタイロス応用システム(TOS)計画の第一歩となるものでした。

3.宇宙でどんなことをし、今はどうなっているの?
3基のテレビ・カメラとリアルタイムでの画像送信が可能なAPTシステムの採用により、きわめて鮮明な気象画像27,000枚(フレーム)を、地球各地の60もの受信局へと送りとどけることができました。
1964年9月23日に運用停止、1974年5月16日には、大気圏突入により消滅しました。

4.このほかに、同じシリーズでどんな機種があるの?
1966年5月15日に、やはりバンデンバーグ空軍基地から打ち上げられたニンバス2号は、目的の円軌道にこそ乗ることはできませんでしたが、地上の上空を決まった時刻ごとに通過する太陽同期軌道を採用していたため、特定の場所の気象状況を、同じ向きからの太陽の光のもと、日にち単位で比較検討することができました。その後、3番機(ニンバスB)の打ち上げ失敗(1968年5月18日)を経て、ニンバス3号(1969年4月14日打ち上げ)からニンバス7号(1978年10月13日打ち上げ)と、アメリカ気象局が改編されアメリカ海洋大気局(NOAA)が誕生した1970年をはさみ、気象衛星の試験運用段階から完全な実用型までの長い期間にわたって、ニンバスの名は使われることになりました。
なお、NOAAでは、打ち上げまでの衛星名はアルファベット順で呼んでいるため、ニンバス5~7号は、それぞれ、ニンバスE、F、Gの名でも知られています。

5.どのように地球を回るの?
近地点高度429km、遠地点高度937kmのだ円軌道で公転周期は98.4分、軌道の傾きは98.7度と、赤道に対してほぼ直立した逆行極軌道が採用されていました。