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軌道制御

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人工衛星の軌道を目的に合わせて変更する「軌道制御」

軌道を周回している人工衛星は、長い時間がたつうちに太陽や月の重力、空気抵抗などの外乱によって、軌道そのものがくるってきます。また、最終的に目的とする軌道にのせるため、あるいはランデブー・ドッキングなどのために、軌道を変更あるいは修正しなければならないことがあります。この衛星の軌道を変更することを軌道制御(修正)といいます。その方法には、大きく分類すると2つの方法があります。

軌道面内で、軌道の大きさと形を変える「面内制御」

衛星の軌道面内で、加速あるいは減速のためにエンジンを噴射し、軌道の大きさと形を変えます。この制御により、衛星の遠地点、近地点、軌道の形(円または、だ円)および周期が変わります。軌道1(初期軌道)から軌道2(遷移軌道)に移る場合、近地点aで加速すると、新たな遠地点bを持つ軌道2となります。また、軌道2から3に移る場合は、遠地点bでさらに加速すると、更に異なった遠地点を持つ軌道3へと移行します。「面内制御」は、ロケットにより所定の軌道傾斜角の軌道へ投入された人工衛星が、目標とする最終軌道(例えば、地球観測衛星で、太陽同基準回帰軌道の場合)への移行に必要な軌道制御です。

軌道面に垂直にエンジンを噴射する「軌道面制御」

衛星の軌道面に垂直に力を加えるように、エンジンを噴射します。この制御により、衛星の軌道傾斜角が変わります。「軌道面制御」は、静止軌道への移行に必要な制御です。種子島宇宙センターから打上げられる衛星は、軌道傾斜角約28度、近地点約250km、遠地点約36,000kmのトランスファー軌道(遷移軌道)へ投入されます。静止軌道は、軌道傾斜角0度、高度約36,000kmの円軌道ですから、この「軌道面制御」が必要になります。

静止軌道投入は、軌道制御をくり返し約1ヶ月かけて調整する

衛星の第2段燃焼終了時点で、低軌道(パーキング軌道:高度200kmの円軌道)に投入されます。1周回る前に、第2段を再着火し、遠地点が36,000kmになるようなだ円軌道(トランスファー軌道:近地点は約200kmのまま)に修正します。次に、近地点を高くするため、遠地点でアポジモータ(小型の固体ロケット)を点火し、約36,000kmの円軌道(ドリフト軌道)に修正(面内制御)するのと同時に、軌道傾斜角を変更(軌道面制御)します。ドリフト軌道上の衛星は完全な静止衛星ではなく、約1ヵ月かけて衛星に装着されている小型ジェット装置で軌道を徴調整(面内制御)し、完全な円軌道(静止軌道)とともに、目標高度に静止させます。
アポジモータは、シンプルですがドリフト軌道投入誤差の微調整が不可能なため、液体燃料を使用したアポジエンジンが利用される場合が多くなっています。この場合、トランスファー軌道から一気にドリフト軌道への移行はせず、数回にわたって遠地点高度、近地点高度を上げて、ドリフト軌道に到達します。