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軌道運動の基本

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軌道運動の基本

地球がどこまでも真平(まったいら)であったら、地表で水平方向に物体をいくら早い速度で投げ出しても、物体には重力が働いているのでいずれ地上に落ちてしまいます。しかし、実際には地球はほぼ球体と言ってもよい形状をしていますから、(地表面からの高さは無視して)あるところから水平に物体を発射すると、初速度が大きいほど地表の遠い地点に到達します。このとき、初速の大きさに関係なく、一定時間に落下する距離は一定です。例えば、1秒間に落下する距離は、初速度に関係なく、約4.9mです。ということは、初速度が速ければ速いだけ、地面に落下するまでの同じ時間に飛距離が長くなることが分かります。このようにして、初速度を更に高めてゆくと、いずれ物体は地球の周り周回し続けることになります。すなわちこの物体は地球人工衛星になり、この軌跡を人工衛星の軌道と呼びます。地球表面の空気による摩擦(まさつ)を無視して、物体と地球の重力だけを考えたとき、人工衛星になるための速度を「第1宇宙速度」といい、約7.9km/秒です。

初速度を更に大きくしていくと軌道は楕円軌道になり、速度を10.2km/秒まで上げると、静止軌道と同じ高さの約36,000kmとなる。月に飛行する場合は、10.9km/秒にすることで月の軌道に達成できます。
更に速度を増加させて11.1km/秒になると、地球の周辺に戻ってこなくなり、地球人工衛星ではなく、太陽の人工惑星となります。この速度を「地球脱出速度」、または「第2宇宙速度」と呼んでいます。この速度が16.7km/秒まで増加させてやると、太陽系からも脱出できます。この速度を「第3宇宙速度」と呼んでいます。

参考

1977年9月に打ち上げられたNASA惑星探査パイオニア1号は、太陽から約175億km遠方を17.6km/秒の速度で飛行中です(2011年5月現在)。ちなみに、パイオニア1号からの電波は、地球まで届くのに約16時間以上かかります。

ケプラーの3法則

ヨナネス・ケプラー(1571-1639)は、太陽の周りを回る衛星(地球火星等)は、太陽の中心をひとつの焦点とした楕円運動を描くことを発見しました。

人工衛星の軌道も、太陽系の衛星と同じくケプラーが発見した3法則により表現できます。

【第1法則】
人工衛星は、地球の中心をひとつの焦点とした楕円運動を描く。

【第2法則】
面積速度は一定である。(面積Aと面積Bは等しい)
すなわち、地球に近いところほど、人工衛星の速度は速い。

【第3法則】
人工衛星の公転周期(時間)の2乗は軌道の大きさの3乗に比例する。
すなわち、地球から遠くを周回する人工衛星ほど、地球を1周するのに長い時間がかかる。(人工衛星の軌道高度が分かれば、軌道周期(地球1周する時間)が分かることを意味します。)

この法則に基づき、最も一般的な円軌道の場合の高度と速度・周期の関係を一覧にまとめると以下のようになります。

円軌道衛星の高度と速度・周期の関係

高度(km)速度(km/秒)周期備考
07.911時間24分30秒第1宇宙速度
4007.671時間32分30秒
8007.451時間40分50秒
1,0007.351時間45分10秒
5,0005.923時間21分20秒
10,0004.935時間47分40秒
20,1823.8711時間58分00秒GPS衛星軌道(半日)
35,7863.0723時間56分04秒静止衛星軌道(1日)
378,0211.0227日10時間50分月の軌道