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原始星

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星の材料が集まる分子雲

宇宙空間はまったくの真空ではなく、非常に薄い水素やヘリウムのガスや塵(ちり)のような物質がただよっています。これが星の原料になります。1cm³あたり約1,000個以上のガス分子が存在しているところを分子雲とよび、この中でも特に星間物質が多く集まっているところが星の生まれる場所です。多くの場合、星間物質が背景の星の光をさえぎってしまい暗く見えるので、暗黒星雲とも呼ばれます。星が生まれつつある分子雲はいろいろなところにあり、オリオン座おうし座へびつかい座ペルセウス座の方向などにある分子雲が有名です。

赤ちゃん星の誕生

このように星間物質がたくさん存在しているところでは、何らかの原因で星間物質の密度にむらができます。そのような場所では重力が強くなり、さらに周りの物質を引きつけてどんどん成長していきます。このとき中心に向かって落ちていく物質の重力エネルギーが中心部をあたため、赤外線を出すようになります。これが原始星の誕生です。原始星の周りにはこれから原始星へと降り積もっていく星間物質がたくさんあるので、波長の短い可視光はそれらの物質にさえぎられてしまい外に出てくることができません。このようなとても若い天体の観測には、あたためられた塵が出す赤外線や、分子ガスから出る電波を使います。アメリカの赤外線観測衛星「スピッツァー」や日本の赤外線観測衛星「あかり」などの活躍で、これまで知られていなかった原始星の姿が次々に明らかになっています。

赤ちゃん星から噴き出すジェット

原始星に見られる特徴として、原始星から勢いよく噴き出すガスの流れ「ジェット」があります。速いものでは秒速100kmにも達し、数光年の距離にわたって飛んでいくものもあります。このジェットを研究することで原始星の年齢や進化の様子を調べることができます。

ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた、原始星から噴き出すジェットの様子。太陽系のサイズをはるかに上回る規模のジェットが写し出されています。 (c) C. Burrows (STScI & ESA), the WFPC 2 Investigation Definition Team, and NASA
ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた、原始星から噴き出すジェットの様子。太陽系のサイズをはるかに上回る規模のジェットが写し出されています。 (c) C. Burrows (STScI & ESA), the WFPC 2 Investigation Definition Team, and NASA

原始星の周りで惑星が生まれる

原始星のまわりでは星に落ち込んでいく星間物質がうずを巻いて円盤を形づくっており、原始惑星系円盤と呼ばれます。原始惑星系円盤の中では小さな塵の粒がぶつかり合って次第に大きくなっていき、これが惑星のもとになると考えられています。円盤の中にある物質が、中心の原始星に落ちて行ったり惑星に取り込まれたりして円盤が次第になくなっていくと、現在の私たちの太陽系のような姿になると考えられています。質量によって星の誕生にかかる時間は違いますが、太陽くらいの質量の星の場合は、原始星の誕生から数千万年で一人前の星と惑星系ができあがると考えられています。