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土星の衛星

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多様な63個の衛星たち

土星には2009年1月現在で、63個の衛星が発見されていて、その数は木星と並んでいます。木星の場合はガリレオ衛星を除いたすべてが小惑星のような大きさで形もいびつなのに対して、土星の衛星は大きさもその表面の様子も多種多様です。63個の衛星のうちその大半が、地上の巨大望遠鏡群や土星探査機「カッシーニ」によって2000年以降に発見されました。

濃い大気に覆われたタイタン

タイタン土星最大の衛星で、太陽系の衛星の中でも2番目に大きな衛星です。1655年、クリスチャン・ホイヘンスによって発見されました。直径は5,150km。土星からの距離は約123万kmです。表面を窒素の大気が覆っています。メタンなどが作りだす雲があるため、上空から表面の様子を見ることはできません。地表は摂氏マイナス170度しかありませんが、液体になったメタンやエタンが雨となって降り注ぎ、川や湖のような地形を作り出していることが土星探査機「カッシーニ」によって明らかにされています。2005年には「カッシーニ」から切り離された小型探査機「ホイヘンス」がタイタンへの軟着陸に成功しました。着陸時の衝撃が弱かったことから、着陸地点は沼のような地形だと考えられています。

探査機「カッシーニ」が撮影したタイタン (c)NASA/JPL/Space Science Institute
探査機「カッシーニ」が撮影したタイタン (c)NASA/JPL/Space Science Institute

氷を噴き出すエンケラドス

エンケラドスは1789年、ウィリアム・ハーシェルによって発見されました。直径は498km、土星からの距離は約24万kmです。表面の反射率は非常に高く、太陽系でもっとも白い天体です。土星探査機「カッシーニ」によって、エンケラドスの南極付近から間欠泉のように氷が噴き出している様子が発見されました。この氷火山によって、つねに表面に新しい氷が供給されているものと考えられています。噴出物の中には有機物も発見されました。また、この噴出物によって作られたと考えられている、微量の大気も発見されています。間欠泉を噴き出させている熱源は不明ですが、エンケラドス内部における放射性物質の崩壊や、木星のイオ同様、土星の潮汐力によるものだと考えられています。

探査機「カッシーニ」が撮影したエンケラドス (c)NASA/JPL/Space Science Institute
探査機「カッシーニ」が撮影したエンケラドス (c)NASA/JPL/Space Science Institute

ツートーンの衛星イアペタス

イアペタスは1671年、カッシーニによって発見されました。タイタン、レアに次いで土星で3番目に大きな衛星です。直径は約1,436km。土星からの距離は約358万kmです。イアペタスの表面は、明るく白っぽい部分と暗く黒っぽい部分に非常にはっきり分かれています。表面は水の氷とわずかな岩石からできているとみられ、暗い部分にはイアペタスの内部からの噴出物が降り積もっていると考えられていますが、はっきりとは分かっていません。

探査機「カッシーニ」が撮影したイアペタス (c)NASA/JPL/Space Science Institute
探査機「カッシーニ」が撮影したイアペタス (c)NASA/JPL/Space Science Institute

2番目に大きな衛星レア

レアは1672年、カッシーニによって発見されました。タイタンに次いで土星で2番目に大きな衛星で、直径は約1,528km。土星からの距離は約53万kmです。密度が低いため、大部分が氷でできていると考えられています。表面はニ面性があり、明るくクレーターの多い地域と、暗く網目状の模様がある地域とに分かれています。

探査機「カッシーニ」が撮影したレア (c)NASA/JPL/Space Science Institute
探査機「カッシーニ」が撮影したレア (c)NASA/JPL/Space Science Institute

トロヤ群衛星をもつディオネ

ディオネは1684年、カッシーニによって発見されました。直径は1,120km。土星からの距離は約38万kmです。タイタンに次いで密度が大きく、岩石を含む氷からできていると考えられています。レア同様、表面にはクレーターが多くて明るい地域と、網目状の線模様がある地域という二面性があります。ディオネの公転軌道上にはトロヤ群衛星が2個あり、前方にヘレネ、後方にポリデウケスが公転しています。

探査機「カッシーニ」が撮影したディオネ (c)NASA/JPL/Space Science Institute
探査機「カッシーニ」が撮影したディオネ (c)NASA/JPL/Space Science Institute

巨大な峡谷をもつテチス

テチスはディオネ同様、1684年にカッシーニによって発見されました。直径は1,060km。土星からの距離は約30万kmです。レアやディオネ同様、岩石を含む氷でできていると考えられていますが、テチスだけ非常に明るく白いのが特徴です。衛星の直径の4割にもおよぶ巨大なクレーターや、幅100km、深さ3~5km、長さ2,000kmにも及ぶ巨大な峡谷が走っています。テチスの公転軌道上にもトロヤ群衛星が2個あり、前方にテレスト、後方にカリプソが公転しています。

探査機「カッシーニ」が撮影したテチス (c)NASA/JPL/Space Science Institute
探査機「カッシーニ」が撮影したテチス (c)NASA/JPL/Space Science Institute

一つ目衛星ミマス

ミマスはエンケラドス同様、1789年にハーシェルによって発見されました。直径は398km。土星からの距離は約19万kmです。ミマスには、その直径の3分の1にも及ぶクレーターがあり、「ハーシェル」と名づけられています。クレーターの直径は約130km、外壁の高さ約5km、深さ約10kmという巨大なものです。このクレーターを形作ったときの衝撃はすさまじく、クレーターの反対側には、この衝撃によって作られたと考えられる地形が残されています。

探査機「カッシーニ」が撮影したミマス (c)NASA/JPL/Space Science Institute
探査機「カッシーニ」が撮影したミマス (c)NASA/JPL/Space Science Institute

スポンジのように見えるハイペリオン

ハイペリオンは1848年、ウィリアム・ラッセルらによって発見されました。土星から約149万kmのところを公転しています。約360km×280km×226kmという楕円体をしていて、太陽系で最も大きな非球形天体です。表面は無数のクレーターで覆われていて、そのためスポンジのように見えます。いびつな形をしているにもかかわらず、他の多くの衛星に見られるように同じ側を惑星に向けて公転しているわけではなく、自転周期と公転周期が一致していないことが明らかにされています。また、自転周期は一定ではなく、これはすぐ内側を公転している土星最大の衛星タイタンの影響によるものと考えられています。

探査機「カッシーニ」が撮影したハイペリオン (c)NASA/JPL/Space Science Institute
探査機「カッシーニ」が撮影したハイペリオン (c)NASA/JPL/Space Science Institute