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スマート1

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スマート1(スマート・ワン)は、ヨーロッパ宇宙機関 (ESA)初の月探査計画です。SMARTは「Small Missions for Advanced Research Technology」の略で、進んだテクノロジーを利用した、小型のミッションを行うための技術開発を目指したミッションです。
スマート1は2003年9月28日(日本時間)にアリアン5ロケットで打ち上げられました。
スマート1は打ち上げ後、月と地球の重力を利用したスイングバイ技術と電気推進を使って徐々に地球からの高度を上げ、月に近づいていきました。そして、2004年11月16日(日本時間)に月の軌道に入り、2005年2月から月の観測軌道で各種観測を開始しました。探査期間は延長され、2006年夏まで、約1年半にわたって探査を行いました。2006年9月3日、月面に衝突して探査を終了しています。
この探査計画の最大の特徴の一つは、電気推進を利用した「省エネ航法」です。電気推進は化学燃料のように燃料を燃やしません。イオン化させた燃料(キセノンなど)を電気的に加速させ、噴射することで推進するシステムです。少ない燃料でも長い時間をかけると非常に大きな加速度を得ることができるため、将来の惑星探査で使うことが期待され、技術開発が盛んに進められています。日本の小惑星探査機「はやぶさ」も、電気推進を利用しています。
スマート1探査機は、大きさ約370kgの非常に小さな衛星です。科学探査のための機器の重さは20kg弱。この機器の中には、カラーCCDカメラ、X線スペクトロメータ、月表層の赤外線スペクトル探査装置などが搭載されており、月の表面の元素組成や鉱物組成、地形などを調べました。
1年半におよぶ月ミッションの最後に、スマート1は、自ら月に激突しました。ターゲットは「優秀の湖(Lake of Excellence)」で、地球から見て月面の南半球に位置します。高地に囲まれた火山性平原で地質学的に興味深く、衝突の際に巻き上げられる物質から何かがわかるかもしれないと期待される場所です。
日本時間9月3日午後2時42分、ESA月探査機スマート1(SMART-1)は予定通り南緯34.4度、西経46.2度の地点に落下し、その役割を終えました。衝突の様子は、南アフリカからハワイに至る広い地域の研究者や観測家に見守られました。