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太陽風

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プラズマの風

太陽から放出されているのは電磁波だけではありません。「プラズマ」と呼ばれる電離したガスも宇宙空間に大量に流れ出しています。このプラズマの流れが太陽風です。太陽風の存在は、彗星のイオンテイルと呼ばれる尾が常に太陽とはちょうど反対方向に伸びていることから予言されました。実際に観測によってそれを確認したのは、1962年、金星に向かった探査機「マリナー2号」です。太陽風は非常に速く、秒速350km~800kmです。太陽から地球に到達するまでに2日~5日しかかかりません。

太陽風の吹き出し口

太陽風の吹き出し口が太陽のどの領域にあるのか、大きな謎でした。それは、太陽を可視光でしか観測することができなかったためです。太陽風に対応すると思われる太陽面上の領域には可視光では何も見えなかったのです。その後、宇宙からX線を観測できるようになり、X線で暗く見える領域が発見されました。これは「コロナホール」と呼ばれており、太陽風がここから吹き出していることが明らかにされました。コロナホールが太陽の中低緯度に広がっているとき、地球に向かって太陽風が吹いてくるのです。ほかにも彩層での爆発現象であるフレアに伴って、太陽風が吹き出すことも明らかにされました。

日本の太陽観測衛星「ひので」が撮影した太陽風の吹き出し口(X線画像) (c)JAXA/国立天文台
日本の太陽観測衛星「ひので」が撮影した太陽風の吹き出し口(X線画像) (c)JAXA/国立天文台

太陽風はどこまで広がっているのか

太陽風は、最遠の惑星である海王星を越え、さらに外側へと広がっています。太陽系の外側には、星間空間起源のガスや磁場が存在しており、太陽から遠く離れた太陽風は、これらのガスや磁場の影響を受けて減速していきます。太陽風の速度が音速以下になると、その境界に衝撃波面を形成します。太陽風はさらに外側へと広がっていきますが、ついには星間ガスや磁場にさえぎられてしまいます。その境界を「ヘリオポーズ」と呼び、そこよりも内側の領域を「太陽圏(ヘリオスフェア)」と呼んでいます。そこまでの距離は約75億~900億㎞と考えられており、太陽系のさらに外側へと旅を続ける惑星探査機「ボイジャー1号」は、2004年12月(16日)、地球から約150億㎞の距離のところで、その境界を越えたとみられています。ヘリオポーズのあたりでは星間ガスや磁場と太陽風が衝突を起こし、ここでも衝撃波面を形成します。この衝撃波面はヘリオポーズの外側に弧状に広がっており「バウショック」と呼ばれています。

中央やや右にある太陽から太陽風が吹き出し、だ円形で描かれたところで衝撃波を形成しています。左から2番目の弧はヘリオポーズ、一番左はバウショックです。 (c)NASA
中央やや右にある太陽から太陽風が吹き出し、だ円形で描かれたところで衝撃波を形成しています。左から2番目の弧はヘリオポーズ、一番左はバウショックです。 (c)NASA