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宇宙デブリ

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破片を意味するデブリは宇宙空間で制御不能になった人工物体

「デブリ」というのは、本来は「破片」を意味する言葉です。1957年のスプートニク1号以来、人類はこれまでに約6,700個の人工衛星を打ち上げてきました。このうち、運用を停止した衛星など、宇宙空間で制御不能になり、そのまま軌道上を回り続けている人工物体のことを「宇宙デブリ」と呼びます(単に「デブリ」ともいいます)。地球のまわりの宇宙空間には、使い終えた衛星本体はもとより、ロケットや衛星がこわれて生じた破片や塗料のかけら、宇宙飛行士の手から離れてしまった工具や手袋など、さまざまな人工物体が飛び交っています。

衛星同士の衝突事故などで宇宙の新しい環境問題に

1966年7月、フランスの小型衛星シリーズがスーツケース大のデブリと衝突し、衛星の一部がもぎとられるという事故が起きました。その後、衛星やロケット本体にデブリが衝突する事故は3回発生しています。国際宇宙ステーションでは、1998年の組立て開始以降、デブリとの衝突の可能性があったため9回の軌道変更を余儀なくされています。一方、2007年2月、中国は自国の運用を終了した人工衛星を地上からのミサイルで破壊する実験を実施し、3,000個以上のデブリを
発生させてしまいました。更に、2009年2月には、人類史上初めて、米国とロシアの衛星同士がシベリア上空約800kmで衝突する事故も発生し、デブリ問題は深刻度を増しています。

10cm以上の宇宙デブリは最近の発表で15,000個以上

宇宙デブリは、いったいどのぐらいの数があるのでしょうか。いまのところ正確な数値はわかりませんが、アメリカの空軍が10cm以上のデブリで軌道を特定したものだけでも、2010年4月現在で、15,000個以上と発表しています。そのうちもっとも多いのは破片で、全体の半数近くを占めており、他は、機能しなくなった古い衛星やロケットの上段などです。軌道の特定まではされていませんが、10cm以下の大きさのデブリも多数存在します。NASAの推定では、1~10cmのデブリは数十万個、1cm以下のデブリは数百万個とも言われています。

宇宙デブリも人工衛星等と同様、様々な軌道に存在するため、地球重力や大気抵抗によって高度が徐々に低下し、大気との摩擦熱により消滅するものがあります。地球を取り巻く大気の厚さは太陽活動により変動しますが、太陽活動が活発な時には大気の厚みが増し、より早く、より多くの宇宙デブリが落下することが知られています。
a) 高度200km以下のものは、数日で大気圏に落下、消滅
b) 200~600kmのものは、数年で落下、消滅
c) 600~800kmのものは、数十年で落下、消滅
d) 800km以上のものは、数百年で落下、消滅
e) 静止軌道(36,000km)以上のものは、永久に落下しない

宇宙デブリの衝突の威力

宇宙を漂う人工物体同士の衝突は、その速度が秒速数km(例えば、国際宇宙ステーションの場合、新幹線の約100倍の速度)と高速であるため、地上での衝突と比べると桁ちがいに危険です。

国際宇宙ステーションでの宇宙デブリ対策

国際宇宙ステーションでは、1cm大の宇宙デブリの衝突に耐えることのできるダンパーを設置しています。また、10cm以上の宇宙デブリに対しては、全て軌道が掌握されているため、NASAが事前に接近解析を実施し、衝突の可能性がある場合には、宇宙ステーションの軌道を若干変更して衝突を回避しています。宇宙デブリの接近で、これまで9回軌道変更が行われました。また、軌道変更が間に合わず、宇宙飛行士ISS内の安全な場所に退避させたことも1回はあります。