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ロケットの構造と設計(3)

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液体ロケットの構造

液体ロケットは、推進剤の燃料と酸化剤(ともに液体)をそれぞれのタンクから燃焼室へと送りこみ、そこで燃焼させて発生した高温のガスを、ノズルから噴射することで推力を得るロケットです。その設計の際に重要な要素となるのが、推進剤タンクとエンジンです。推進剤タンクがそのまま燃焼室の役割を果たす固体ロケットよりも、液体ロケットでは、タンクの構造にかかる圧力が一般的に低く軽量化が容易のため、構造効率は高くなります。

液体ロケットエンジンのLE-7Aエンジン
液体ロケットエンジンのLE-7Aエンジン

「タンク加圧方式」と「ポンプ方式」

液体ロケットエンジンは、推進剤を燃焼室に送りこむ方法により「タンク加圧方式」と「ポンプ方式」とに分けられます。タンク加圧方式は、推進剤タンクに高圧のガスを送り込むことで推進剤を押し出して燃焼室に送る方式で、構造は単純です。しかしこの方式では、ポンプで推進剤を吸い出して燃焼室に送りこむポンプ方式よりも高い圧力が推進剤タンクにかかるため、より丈夫なタンクの設計が必要になります。そのため、小型のロケットにはタンク加圧方式の、大型のロケットにはポンプ方式の設計が適しています。

V-2ロケットからH-IIAロケットまで広く採用される液体ロケット

「近代ロケットの父」と呼ばれたロバート・ゴダードが、人類初の液体ロケットの実験に成功したのが1926年。その後1940年代にポンプ方式を採用した初の液体ロケットであるV-2ロケットフォン・ブラウンらにより開発され、近代ロケットの技術が確立されました。以後、スペースシャトルや日本のH-IIAロケットに至るまで、液体ロケットは広く採用されています。固体ロケットよりも構造は複雑になりますが、比推力の高い推進剤を利用でき、ひいては大きな推力を得られることがその理由です。

V-2(A-4)ロケット
V-2(A-4)ロケット
H-IIBロケット
H-IIBロケット