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シンコム3号

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関連情報

分類:人工衛星
名称:シンコム3号/Syncom3
小分類:通信放送衛星
開発機関・会社:ヒューズ
運用機関・会社:アメリカ航空宇宙局(NASA)
打ち上げ年月日:1964年8月19日
運用停止年月日:1969年4月
打ち上げ国名・機関:アメリカ/アメリカ航空宇宙局(NASA)
打ち上げロケット:ソー/デルタ
打ち上げ場所:ケープカナベラル空軍基地
国際標識番号:1964047A

シンコム3号は、世界で最初の、本当の意味での静止衛星で、ちょうど24時間で地球を一周するため、地上からは空に静止しているようにみえる人工衛星です。
こうした静止衛星を3基、地球のまわりに配置して、地上からの電波を中継してやると、極に近い一部をのぞくほとんどの場所を電波で結ぶことができるようになります。
こうした軌道を地球同期(ジオシンクロナス)軌道といいます。衛星通信には、もっと低い軌道を、もっとたくさんの衛星でカバーする方法もありましたが、当時の技術では大型のアンテナを常に動いている衛星へと向け続ける必要がありました。ところが、静止衛星ならこの手間はいりません。
ただし、静止軌道に低い軌道のものと同じ重さの衛星を乗せるためにはもっとずっと大型のロケットが必要になります。
また、低高度の軌道からトランスフゼ(移行)軌道を経て静止軌道に衛星を定置するには、高い技術力が必要とされました。
そうした困難の中、1963年2月14日に打ち上げられたシンコム1号は電気系統の故障で連絡がとだえ、同じ年の7月23日に打ち上げられた2号も、軌道の傾きが33度もある不完全な軌道に乗せることしかできませんでした。
こうした中、1964年8月29日に打ち上げられたシンコム3号は、太平洋上空の静止軌道上に定置され、10月10日には、東京オリンピックの開会式を世界へと中継することに成功しました。引き続き東京での競技は世界中継され、宇宙中継が商業的に成り立つことを証明しました。
ただし、宇宙中継とはいっても、宇宙を経由した生中継の範囲は、静止衛星の数が予定していた3個ではなく、1個しかなかったために限定されることとなりました。また、太陽電池による出力電流も2ワットと小さなものだったため、現在の直接放送衛星と違って、地上でまず大きなアンテナで受信し、さらに有線回線やテレビ塔を使って放送する必要がありました。
シンコム3号は、シンコム2号とともに、1965年5月には国防総省(DOE)の管理下におかれ、軍事用通信に使われました。3号が打ち上げられた8月には、トンキン湾で北ベトナム軍とアメリカ海軍が衝突、ベトナム戦争がはげしさをましつつあったころのことだったのです。結局、太平洋をこえる宇宙中継通信は、アメリカ軍部にとっても重要な役割をはたすことになりました。

1.どんな形をして、どんな性能を持っているの?
円筒形で、直径71cm、全長39.4cmで、軌道修正用燃料を含む全重量は65.8kgでした。搭載されたトランスポンダ(通信中継器)からの出力は2ワットでした。

2.どんな目的に使用されるの?
アップリンク(受信)には7,360メガヘルツの、送信(ダウンリンク)には1,815メガヘルツのマイクロ波が使われました。電話や、テレビ音声・映像の中継をおこないました。電波信号をいったん受け取って、データをたくわえてから再発信できるトランスポンダ(中継)装置を2基そなえていて、電話回線300本を処理できる能力がありました。

3.宇宙でどんなことをし、今はどうなっているの?
世界ではじめて安定した静止軌道に定置された通信衛星となり、おりから開催されたオリンピックの開会式とゲームの数々を世界に中継、宇宙中継通信が商業的にも実用化の段階に入ったことを証明しました。

4.このほかに、同じシリーズでどんな機種があるの?
シンコム1号は1963年2月14日に打ち上げられましたが失敗。同年7月23日打ち上げのシンコム2号は、静止軌道と同じ高度にまで達したものの、軌道の傾きが修正できず、地上からは8の字に動くため、静止軌道の利点を生かせませんでした。しかし、電話回線の実験的な宇宙中継には成功しています。

5.どのように地球を回るの?
高度35,784kmの静止軌道で、太平洋の日付変更線上空に定置されました。