打ち上げ高度と速度の関係
月に探査機を送りこむ場合、人工衛星の遠地点が月の公転軌道(約380,000km)に達するような「長だ円軌道」に打ち上げる方法が考えられます。打ち出し速度は、その高度が高いほど遅い速度でも月に到達でき、高度0kmなら打ち出し速度は秒速11.088km、200kmなら秒速10.915km、400kmなら秒速10.750km、600kmなら秒速10.592kmとなります。しかし、実際には地球と月との間は両者の重力がつり合う「中立点」があり、だ円軌道での月探査の場合、探査機を中立点付近を遠地点とする「長だ円軌道」にのせて月に送りこみます。


「第2宇宙速度」なら約2日で月に到達
放物線軌道(ほうぶつせんきどう)、つまり地表から秒速11.18kmで打ち上げた場合、中立点での速度は秒速1.53kmです。進行方向は月の軌道とほとんど直角になり、速度が速いため月の重力によって探査機の軌道が乱されることもありません。また、探査機が中立点を通るとき、地球の中心からの方向が打ち上げ点と地球の中心を結ぶ線に対し15度40分であれば探査機は月に到達します。月まで飛行するのに要する時間は、だ円軌道の場合は約4日と20時間、放物線(第2宇宙速度)の場合は約2日です。現在、月探査機は、そのほとんどが放物線軌道あるいはもっと速い双曲線(そうきょくせん)軌道で打ち上げられています。


