JAXA | 宇宙情報センター SPACE INFORMATION CENTER

メニュー

メニュー

イギリス宇宙庁

シェア

関連情報

分類:宇宙開発機関

名称:イギリス宇宙庁/United Kingdom Space Agency(UKSA)
国名:グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国(通称:イギリス)
本部所在地:ロンドン
設立年月日:2010年3月23日

イギリスは1962年にNASAと共同でAriel-1を打ち上げ、米ソに次ぎ世界で3番目の衛星保有国となりました。さらに1971年、国産のブラックアロー・ロケットにより人工衛星の打ち上げに成功し、自力での人工衛星打ち上げに成功した世界で6番目の国となりました。しかし、高コストを理由に以後の国産ロケットの開発は中止されたため、これが最初で最後の自力での人工衛星打ち上げとなりました。

イギリス宇宙庁は、これまでの宇宙活動を一つにまとめるため、イギリス国立宇宙センター(BNSC)の業務を引き継ぎ、2010年4月1日から業務を開始しました。ビジネス・イノベーション・技能省(BIS)の政策や、これまで自然環境研究会議(NERC)、英科学技術政策会議(STFC)等が負担していたESA拠出金など宇宙分野における政府予算や、欧州の全球的環境・安全保障監視(GMES)、航行測位衛星システム「ガリレオ(Galileo)」などを担当することになります。

英国の宇宙開発は、これまで、宇宙科学、地球観測、人工衛星を用いた通信、衛星測位システム(例えばGPSやガリレオ)などに力を入れています。1999年以降のイギリスの宇宙政策では、将来の宇宙産業市場におけるイギリスの競争力向上を最大の目的としています。そのため、地球観測科学および宇宙データ処理技術の研究、開発に焦点が置かれて、おり、大量の宇宙関連データが国内で扱われています。「2008~2012およびそれ以降の英国民事宇宙戦略」は次のとおりです。

・将来の経済開発における宇宙システム、サービスおよび応用の世界市場での英国のシェア拡大すること
地球変動管理のために世界をリードする宇宙システム開拓を提供すること
・科学探査ミッションにおいてパートナーとして選ばれること
・宇宙からのイノベーションを強化することで社会に還元し、日常に役立つ新製品とサービスを創出すること
・ハイテク分野の技術技能開発成果のための主要チャンネルを開発し、貴重な国家インフラの一部としての宇宙システムの価値を公的・政治的に確認できるよう改善すること

イギリスは、人工衛星の設計製造分野では大きなシェアを占めています。欧州最大の宇宙企業である多国籍企業EADSアストリウム社はイギリス支社であるアストリウム・リミテッド社に多くのスタッフを擁しており、イギリスの宇宙開発の中心となっています。2009年にEADSアストリウム社に買収されたイギリスのSSTL社は、小型衛星の分野では世界最大手です。

ロケットや探査機などの開発はイギリス独自では行っておらず、欧州宇宙機関(ESA)のプロジェクトに技術参加する形をとっています。今までに参加したESAプロジェクトには、太陽風の観測を行うクラスター2、彗星探査ロゼッタ、遠赤外線宇宙望遠鏡FIRSTなどがあります。

英国の宇宙関連予算は2008年度で4億1,400万ドル。これはBNSCではなく貿易産業省か協力機関からの出資であり、そのうち半分以上は直接ESAのプロジェクトに用いられます。BNSCの本部は年間約50万ポンドで運営され、2009年度ESA拠出金は2億6,940万ユーロ(加盟国中7.50%で4位)です。英国の宇宙産業規模は年70億ユーロです。

英国の有人宇宙飛行としては、1991年にシャーマン(女性)がソユーズ宇宙船に搭乗し、ロシアのミール宇宙ステーションに滞在しています。

1.どのような組織になっているの?
イギリス宇宙庁は、イギリス国立宇宙センター(BNSC)の業務を引き継ぎ、2010年4月1日に発足しました。BNSCは、職員数50名ほどで構成され、関係する省庁は、貿易産業省およびその下位組織、科学技術局、運輸省、国防省、外務英連邦省、環境・食糧・農家省、教育技能省、ラザフォード・アップルトン研究所、自然環境研究委員会、科学技術施設研究会議、気象庁です。

2.地図上ではどの辺にあるの?
ロンドンに本部があります。

3. これまでに行った宇宙計画とこれから予定している計画にはどんなものがあるの?
イギリスは地球観測の分野に力を入れており、ESA最大の人工衛星である地球観測衛星Envisatにおいては、設計製造から運用まで中心的な役割を担いました。陸地および海の氷厚変化を調べるESAのCryoSat-2衛星(2010年打ち上げ予定)の開発では中心的な役割を担っています。また、複数の小型衛星から成る国際プロジェクトである災害監視衛星群(DMC)計画においては、イギリスのSSTL社が衛星の設計製造を担当しています。その他にも、ESANASAの様々な地球観測ミッションに参加しています。
通信およびナビゲーションの分野では、欧州通信衛星機構(ユーテルサット)の通信衛星ホットバード9および10の設計製造をアストリウム・リミテッド社が担当しました。衛星電話・無線パケット通信事業を行う国際企業インマルサット社の本社はイギリスにあり、インマルサット社の衛星のうち3機はアストリウム・リミテッド社が製造しました。またイギリスは、アメリカの全地球測位システムGPSの欧州版であるガリレオ計画において重要な役割を担っています。
天文衛星や探査機等の開発はイギリス独自では行っておらず、欧州宇宙機関(ESA)のプロジェクトに技術参加する形をとっています。今までに参加したESAプロジェクトには、太陽風の観測を行うクラスター2、NASA土星周回探査機カッシーニから分離されて土星の衛星タイタンに降下したホイヘンス探査機、月探査スマート1火星探査マーズ・エクスプレス彗星探査ロゼッタ、遠赤外線宇宙望遠鏡FIRST、金星探査ビーナス・エクスプレスなどがあります。
ESAおよび日本の共同プロジェクトとして進められている水星探査計画ベピ・コロンボにおいては、ESAと日本がそれぞれ1機ずつの探査機を開発していますが、このうちESAの探査機は、その多くがイギリスで製造されます。

水星探査計画ベピ・コロンボの水星表面探査機(MPO)(ESA提供)
水星探査計画ベピ・コロンボの水星表面探査機(MPO)(ESA提供)

ESA主導の月・惑星探査計画であるオーロラ計画においては、イギリスが大きな役割を担っています。オーロラ計画では、21世紀中に国際共同によって火星への有人ミッションを実現することを最終目標としています。そのために複数のミッションが進められていますが、現段階において最重要のものは火星探査ミッションであるExoMarsです。ExoMarsでは、NASAとも協力して火星に周回機およびローバー(無人探査車)を送り込み、生命の存在を探ります。ローバーの試験機の開発が、アストリウム・リミテッド社を中心として進められています。

4.これまでに開発したロケットで代表的なものは?
イギリスは1971年、国産のブラックアロー・ロケットにより人工衛星の打ち上げに成功し、自力での人工衛星打ち上げに成功した世界で6番目の国となりました。しかし、高コストを理由に以後の国産衛星打ち上げロケットの開発は中止されたため、これが最初で最後の自力での人工衛星打ち上げとなりました。その後の衛星打ち上げはアメリカやESAに頼っています。

5.ロケットはどこで打ち上げるの?
ブラックアロー・ロケットは、オーストラリアのウーメラ射場から打ち上げられました。

6.これまでに開発した宇宙ステーションで代表的なものは?
ESAを通じて国際宇宙ステーション(ISS)計画に参加しています。

7.予算はどれくらいなの?
イギリスの宇宙関連予算は2008年度で4億1,400万ドル。これはBNSCではなく貿易産業省か協力機関からの出資で、そのうち半分以上は直接ESAのプロジェクトに用いられます。BNSCの本部は年間約50万ポンドで運営され、2009年度ESA拠出金は2億6,940万ユーロ(加盟国中7.50%で4位)です。英国の宇宙産業規模は年70億ユーロです。