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銀河の地図を作ったハーシェル

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宇宙の構造を調べたハーシェル

アイザック・ニュートンによるプリンキピアの出版は、物理学や天文学を根本から書きかえる画期的な出来事でした。天体の位置を正確に測定したり暦を作成したりすることが重要な仕事だった天文学は、その後、物理学の発展とともに、物理学の手法に則って宇宙を理解する天体物理学としてめざましい発展をとげていきます。

この大きな変わり目に活躍したのがイギリスの天文学者ウィリアム・ハーシェルです。ハーシェルはさまざまな研究を行ったことで知られていますが、その中でも特筆すべきは宇宙の構造についての研究です。彼は優れた技術で大口径の望遠鏡を次々と製作し、それらの望遠鏡を用いて夜空の一定の範囲ごとの星の数を克明に記録していきます。その結果、天の川に沿った方向には星が集中し、天の川から離れるにつれ星の数が急減するという事実をつきとめました。

ハーシェルが描き出した天の川。中央やや左の黒いところが太陽の位置です。
ハーシェルが描き出した天の川。中央やや左の黒いところが太陽の位置です。

観測に基づいた宇宙モデルの提唱

この観測結果から、ハーシェルは私たちの住む宇宙は薄い円盤状の構造をしているのではないかと考えました。円盤の厚み方向を見ると星が少なく夜空は暗く見え、円盤の「つば」のほうを真横から見れば、たくさんの星が見えることになり、それがぼうっと淡く輝く天の川のように目にうつると考えたのです。ハーシェルは観測によって、太陽系を中心とした宇宙(銀河系)の形を描き出したのです。

古代以来、天空の星々はさまざまな物語や神話とともに語られるだけの存在でした。プトレマイオスの宇宙像では、星は天球のもっとも外側に貼り付いた存在に過ぎなかったのです。しかしガリレオ・ガリレイやニュートンの活躍以降、ハーシェルの発見に象徴されるように、太陽系は今では銀河系として知られる天体の一部であるということに人々は気がつきはじめ、太陽系の外側にも目を向けるようになりました。この時代を境に、天文学は急激な発展を遂げていくこととなります。