JAXA小惑星探査機「はやぶさ」物語

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搭載機器










■理学観測機器
探査機からの観測装置
望遠光学航法カメラ
(OCN-TおよびAMICA)
1基のカメラヘッドで小惑星の詳細地形モデルの作成や着陸点の選定に使用。視野角5.7度。およそ100万画素のCCDカメラ。撮像時に8種類のフィルターを使うことにより科学観測用のAMICA(小惑星マルチバンドイメージカメラ)として使用。
広角光学航法カメラ
(ONC-W)
2基のカメラヘッドで航法に使用。視野角60度。およそ100万画素のCCDカメラ。得られた画像の大きさからおおよその距離を測定できる。画像とレーザー高度計で得られた距離情報により3次元相対位置を知ることが出来る。ターゲットマーカーの追尾にも使用。
レーザー高度計
(LIDER)
レーザー光を照射し反射した光が戻るまでの時間から距離を測る装置。測距距離範囲は50m〜50km。レーザー波長は1064nm。出力は10mJ。重量3.7kg。また、高度計のデーターからイトカワの形状を立体的に把握するためにも重要。
近赤外分光計
(NIRS)
近赤外分光計は、太陽のイトカワ表面反射光を分光し、0.85〜2.1ミクロンの近赤外線波長を調べることで鉱物の種類や表面の状態を測定。視野角0.1度。X重量は、XRSも含めて1.5kg。
蛍光X線スペクトロメーター
(XRS)
太陽X線により励起されたイトカワ表面からの蛍光X線を観測。エネルギ検出帯域は0.7〜10KeV、エネルギ分解能は1.5KeVの帯域で、100eVのX線CCDセンサを5枚搭載。視野角3.5度。


表面観測ローバー
「ミネルバ」
直径120mm、高さ100mmの筒形(正確には16角柱)。重さ約590g。表面に太陽電池が貼られ電力を確保。専用のCPU、通信用リングアンテナを持ち「はやぶさ」本体と9600bpsの通信速度でデータ伝送を行なう。ホッピング用振動子2個を持ちイトカワ表面を移動。
カラー立体カメラ 3台の小型カラーカメラを搭載し、内2台で10〜50cmの距離を立体画像で撮影する。残りの1台は遠焦点のカメラを搭載。表面に到達すれば1mmの解像度が期待される。
小惑星表面温度計 ミネルバ本体から突き出した制動用の16本のピンの内、6本に温度計を装備し、イトカワ表面温度を計測。


サンプルリターン
サンプラー
3個の金属製弾丸(プロジェクタイル)を火薬によりイトカワ表面に打ち出す。破砕された表面物質がサンプラーホーンを伝わりカプセル内に収納される。弾丸の重さは5g。
サンプラーホーン 打上げ時400mmに収納されたホーンは、打上げ後すぐに伸展され、1000mmの長さになる。アルミ合金製の固定ホーン部と布製ホーン部から構成されている。伸展時の下部内径は150mm。


■そのほかの搭載機器
電気推進エンジン
(イオンエンジン)
冗長1基を含み4基(惑星間推進用)。惑星間航行用メインエンジンとして、イオンエンジンのスラスタヘッド4台のうち最大3台を同時に使用(はやぶさ本体が供給可能な電力事情等により台数を2台、1台と減少させる)。
化学推進エンジン
(スタスター)
ノズル12基(姿勢制御用)。惑星間航行時の姿勢制御および小惑星到着時の近接運用のときに、2液式化学エンジンを使用(12個のノズルを組み合わせる)。
太陽電池パドル ガリウムヒ素セルが貼られた4.2M×1.4M×2翼の太陽電池場パドルにより1.0 AUにおいておよそ2.6kWの電力を発生 。
バッテリー 大きさ188mm×215mm×153mm、重さ約7.6kgのバッテリー1基。リチウムイオン二次電池を使用。容量は13.2 Ah。
高利得アンテナ 半値幅1.4度の単一指向性パラボラ形アンテナを1基搭載。アンテナの直径は1.6m。重量およそ7.3kg。送信出力20W(X-band)。通信速度は最大8kbps。
中利得アンテナ 単一指向性の矩形ホーン形アンテナを2基搭載。1基は駆動機構によりY軸回りにおよそ115度回転する。重量およそ1.7kg。残る1基は固定式で、重量およそ490g。送信出力20W(X-band)。通信速度は最大8kbps。
低利得アンテナ マイクロストリップ形アンテナを3基装備。高利得アンテナの上部に1基、底面に2基装備され、重量はそれぞれおよそ60g、390g、124g。送信出力20W(X-band)。通信速度は最小8bps。
ターゲットマーカー 小惑星タッチダウン用の人工目標物で3基搭載。内1基には88万名の署名が印字された。直径10cmのアルミ球殻にフラッシュランプを高効率で再帰反射させるフィルムが貼られている。反発係数が0.1以下になるようポリイミド小球を内蔵する。マーカー本体1基の重量は280g。
再突入カプセル 小惑星表面より採集したサンプルを地球に持ち帰るための装置。再突入の大気摩擦からサンプルを保護するためのアブレーター、サンプルコンテナ、パラシュート、ビーコン送信装置などから構成されている。直径40cm、重量16kg。
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